お前のようなシスターがいるか
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jisakunobatorowa
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お前のようなシスターがいるか
真帆を下がらせた後、私と謎の生物との戦いはつまるところ互角であった。
むしろ、優勢は向こう側にあるのかもしれない。
どういうわけか奴は身を分身させるため、思うように攻撃が当たらないのだ。
さらに波動拳を打ち込んできたり、接近戦を挑んできたりと手強い。
彼女の為、あまり長期戦になるのも好ましくない。
むしろ、優勢は向こう側にあるのかもしれない。
どういうわけか奴は身を分身させるため、思うように攻撃が当たらないのだ。
さらに波動拳を打ち込んできたり、接近戦を挑んできたりと手強い。
彼女の為、あまり長期戦になるのも好ましくない。
「貴様、言葉が通じるならば答えよ。
一体何者だ」
一体何者だ」
銃を下げ、敵に情報を求める。
『私の名はルカリオ…』
所詮は生物、理性はあれど会話手段は持たないと思っていた私は呆気にとられた。
脳内に直接入り込むように念が送られてくるのだ。
俗に言うテレパシーなどというものか。実在していたとは。
脳内に直接入り込むように念が送られてくるのだ。
俗に言うテレパシーなどというものか。実在していたとは。
『私には主がいる…そのお方の為にも私はどうしても負けるわけにはいかないのだ』
青白いオーラを纏いながらルカリオは語りかける。
腕を胸にあて、瞳を閉じていた。
腕を胸にあて、瞳を閉じていた。
「忠心の犬と言ったところか…それがお前の決めた道ならば仕方あるまい」
『私の邪魔をするならば容赦はせぬ』
『私の邪魔をするならば容赦はせぬ』
その言葉が引き金となり、再び交戦が始まる。
例の如くルカリオは数体に分身し、360度あらゆる角度から攻める。
目にも止まらぬ速さで突進をしかけてくるが、本物は一体。
例の如くルカリオは数体に分身し、360度あらゆる角度から攻める。
目にも止まらぬ速さで突進をしかけてくるが、本物は一体。
(どれが本物だ…?)
先ほどの経験で分かったことだが、分身は何かに触れれば即消滅するようだ。
とにかく何かをぶつければいい。…たとえどんなに小さなものでも。
上方の2体を射殺、前方3体に対して足元の砂を蹴り上げて消滅。
いずれもオリジナルではない…!ならば後ろ!
ポケットから引っ張り出した大剣を投擲する。消滅。
とにかく何かをぶつければいい。…たとえどんなに小さなものでも。
上方の2体を射殺、前方3体に対して足元の砂を蹴り上げて消滅。
いずれもオリジナルではない…!ならば後ろ!
ポケットから引っ張り出した大剣を投擲する。消滅。
(いない、だと?見失うはずが…)
青い狼はどこにもいない。分身すら全て消し去った。
当たり一体どこを見てもいない。
ただ、気になる不自然な穴があった。
…それに気付くのはあまりにも遅すぎた。
当たり一体どこを見てもいない。
ただ、気になる不自然な穴があった。
…それに気付くのはあまりにも遅すぎた。
「ぬおぉ!」
足元から現れたルカリオがシスターの胸部を襲う。
激しい衝撃とともに、体を痺れさせる技。
「はっけい」を繰り出したのだ。
激しい衝撃とともに、体を痺れさせる技。
「はっけい」を繰り出したのだ。
宙を舞い、バランスが取れない。
おまけに体が痺れている感覚がする。
ルカリオもまた飛び上がり、波導を溜めた腕を鳩尾に充てがう。
おまけに体が痺れている感覚がする。
ルカリオもまた飛び上がり、波導を溜めた腕を鳩尾に充てがう。
『はあああああぁっ!』
「ぐ…!」
「ぐ…!」
思い切り地面へと叩きつけられ、視界が揺らぐ。
それでもまだルカリオは攻撃の手をやめるつもりはないようだ。
今度は炎を纏った脚で飛び掛ってくる。
奴は一体なんなんだ。
しかし今度ばかりは食らえば命の危険に関わる、と本能的に察知していた。
だが、神はまだ私を見捨ててはいないようだ。
それでもまだルカリオは攻撃の手をやめるつもりはないようだ。
今度は炎を纏った脚で飛び掛ってくる。
奴は一体なんなんだ。
しかし今度ばかりは食らえば命の危険に関わる、と本能的に察知していた。
だが、神はまだ私を見捨ててはいないようだ。
甲高い音とともに火の粉が飛び散り、眩い光が夜の世界を照らす。
飛ばされた位置がちょうどグラットンソードを飛ばした位置だった。
それも手を伸ばせばすぐに剣が取れる位置。
炎の蹴りをはじき、充分に離れた場所で三度対峙する。
飛ばされた位置がちょうどグラットンソードを飛ばした位置だった。
それも手を伸ばせばすぐに剣が取れる位置。
炎の蹴りをはじき、充分に離れた場所で三度対峙する。
「今のは見事だ。相当の腕前だな」
『御託はいい。それより銃声が鳴っているが、貴様はいいのか?』
「なに?」
『あの少女が逃げた先で聞こえている』
『御託はいい。それより銃声が鳴っているが、貴様はいいのか?』
「なに?」
『あの少女が逃げた先で聞こえている』
私は目先のことに囚われ過ぎていたのかもしれない。
本当に大事なことを忘れていたことに気付けなかった。
本当に大事なことを忘れていたことに気付けなかった。
「…おのれ!」
『そちらへ行くなら私は手を引こう。おまえはおまえで出来ることをするがいい』
『そちらへ行くなら私は手を引こう。おまえはおまえで出来ることをするがいい』
予想外の発言。単なる戦闘狂ではないということか。
それならば有難い。理解者であったことに感謝せざるを得ない。
それならば有難い。理解者であったことに感謝せざるを得ない。
「そうか、感謝する!」
公園を後にし、か弱き少女の安全を祈りつつ急ぐ。
(信じていいのか?)
出会ったばかりの、つい先ほどまで命を賭けて戦っていたのだ。
更に奴は真帆の放送を聴いてやって来た獣だった筈だ。
そんな敵ともとれる存在に、小さな疑問を抱く。
更に奴は真帆の放送を聴いてやって来た獣だった筈だ。
そんな敵ともとれる存在に、小さな疑問を抱く。
(にしては、嘘をつくような者ではなかったな)
振り向いたところ、その姿は既に無く、荒れ果てた公園だけが寂しく残っていた。
◇ ◇ ◇
ルカリオが何故シスターを逃がしたのか。
もし第三者がいれば、ルカリオ側に優勢が働いていたと判断するだろう。
ルカリオは己の目的の為、修羅になると心に決めていた。
しかし決着は見ての通りついていない。
もし第三者がいれば、ルカリオ側に優勢が働いていたと判断するだろう。
ルカリオは己の目的の為、修羅になると心に決めていた。
しかし決着は見ての通りついていない。
これは彼の迷いによって生じたものなのか、
あるいはルカリオがまだ悪に成りきれていないのか。
あるいはルカリオがまだ悪に成りきれていないのか。
もっとも、彼が積極的に戦うという方針は変わらないのだが。
支給品であったチョコレートを一齧りすると、神速で大地を駆け抜けた。
【E-5/1日目・黎明】
【シスター@荒川アンダー ザ ブリッジ】
[状態]:胸部打撲、疲労(小)
[装備]:シグザウエルp226@現実、グラットンソード@FF11
[道具]:支給品、不明0~1
[思考・状況]0:第三次世界大戦の終結
1:真帆などの民間人の保護
2:ルカリオの言っていた事は…?
【シスター@荒川アンダー ザ ブリッジ】
[状態]:胸部打撲、疲労(小)
[装備]:シグザウエルp226@現実、グラットンソード@FF11
[道具]:支給品、不明0~1
[思考・状況]0:第三次世界大戦の終結
1:真帆などの民間人の保護
2:ルカリオの言っていた事は…?
【ルカリオ@ポケットモンスター】
[状態]:疲労(小)
[装備]:チョコレート@現実
[道具]:支給品、不明1~3
[思考・状況]0:優勝する
1:シスターはいずれ倒す
※いくつ技が使えるかは不明。
※波導で銃声をキャッチしました。
[状態]:疲労(小)
[装備]:チョコレート@現実
[道具]:支給品、不明1~3
[思考・状況]0:優勝する
1:シスターはいずれ倒す
※いくつ技が使えるかは不明。
※波導で銃声をキャッチしました。
【チョコレート@現実】
カカオの種子を発酵・焙煎したカカオマスを主原料とし、これに砂糖、ココアバター、
粉乳などを混ぜて練り固めた食品。
2月14日はバレンタインデーです。
カカオの種子を発酵・焙煎したカカオマスを主原料とし、これに砂糖、ココアバター、
粉乳などを混ぜて練り固めた食品。
2月14日はバレンタインデーです。
No.038:迷走Mind | 時系列順 | No.040:もっと強くなりたいあなたに |
No.013:とある少女の真帆目録 | シスター | No.056:傭兵(シスター) |
No.013:とある少女の真帆目録 | ルカリオ | No.067:完全・必勝 Yes,I'm OK!! |