あおいあくま
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jisakunobatorowa
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あおいあくま
黒く染まっていた空はやがて、太陽という光によって薄い青色へと色を変える。
会場を明るく照らす眩しい朝日が、赤い少女の顔に光を浴びせ、
そこには畏敬の念を示した、苦い表情が映し出されていた。
△ △ △
相変わらず何の進展も無く、1分1秒が非常に長く感じられるほど、本当に何も無かった。
強いて言うなら、トイレから戻ってきた阿部がさっきからカワサキを品定めするかのように見ていたことぐらいか。
そんな些細なことを気にする程度で、全く何も起こらなかったのである。
強いて言うなら、トイレから戻ってきた阿部がさっきからカワサキを品定めするかのように見ていたことぐらいか。
そんな些細なことを気にする程度で、全く何も起こらなかったのである。
「なぁカワサキ君。ひとつお願いがあるんだが」
「ほぇ?」
「ほぇ?」
口を開いたのは阿部。間抜けな声を出したのはカワサキ。
時間が時間だし、まるで料理を作ってくれと言われたかようにカワサキの目はキラキラと輝いていた。
しかし、後に続く阿部の一言はひどく恐ろしいものだった。
時間が時間だし、まるで料理を作ってくれと言われたかようにカワサキの目はキラキラと輝いていた。
しかし、後に続く阿部の一言はひどく恐ろしいものだった。
「やらないか」
沈黙。
(やるって何?
殺る?ニュアンス的におかしいわよ…ねぇ?
ヤる…?まさか、流石に阿部が怪しいからってそんなことあるわけ―)
殺る?ニュアンス的におかしいわよ…ねぇ?
ヤる…?まさか、流石に阿部が怪しいからってそんなことあるわけ―)
凛の想像の中の阿部高和は、半ば予想どおりの行動をとるなんて思いもよらなかった。
そして、その後の異常な行動に、一瞬脳内が空白に染まってしまうのだった。
そして、その後の異常な行動に、一瞬脳内が空白に染まってしまうのだった。
「ブーッ!」
思わず噴き出したのが伊織。脱ぎ始めたのは阿部。
すごく…大きいです…なブツが露になる。
女性陣二人は慌てて手で顔を覆う。でも不可抗力で見ちゃう。
すごく…大きいです…なブツが露になる。
女性陣二人は慌てて手で顔を覆う。でも不可抗力で見ちゃう。
「あ、アンタ!早くそれしまいなさいよぉ!!!変態!!」
「おいおい、見てるのはお前ら女どもだろ?嫌ならそっちが出て行けよ」
「んな!?一体誰の家だと思って―」
「おいおい、見てるのはお前ら女どもだろ?嫌ならそっちが出て行けよ」
「んな!?一体誰の家だと思って―」
破裂音が2度にわたって鳴り響く。
好機が来たと思った阿部が素早い動作でポケットから銃を引っ張り出し、凛に発砲したのだ。
しかし万全の対策の為、油断を一切見せなかった凛は即座に対応できた。
好機が来たと思った阿部が素早い動作でポケットから銃を引っ張り出し、凛に発砲したのだ。
しかし万全の対策の為、油断を一切見せなかった凛は即座に対応できた。
(危ない危ない。下手すれば即退場ってところかしら)
いくらフェイファー・ツェリザガが強力とはいえ、彼女が得意とする宝石魔術で方向を逸らすことに成功したのである。
起動をずらされた銃弾はそのまま壁を突き破り、綺麗な穴を作り出した。
しかし凛は起動を逸らすのではなく破壊するつもりだったので、阿部の持つ武器の桁違いの威力を実感し焦る。
そして伊織とカワサキは一瞬の出来事に身動きをとれずにいた。
起動をずらされた銃弾はそのまま壁を突き破り、綺麗な穴を作り出した。
しかし凛は起動を逸らすのではなく破壊するつもりだったので、阿部の持つ武器の桁違いの威力を実感し焦る。
そして伊織とカワサキは一瞬の出来事に身動きをとれずにいた。
「…ようやく本性表したわね」
「邪魔しないでほしいんだが」
「邪魔しないでほしいんだが」
阿部は痺れる腕を殴りつけ、取り出した銃を捨てると全裸で凛に飛びかかる。(※性的な意味ではない)
…阿部がgthmだから無問題かもしれないが、誰がどう見ても犯罪です本当にありがとうございました。
…阿部がgthmだから無問題かもしれないが、誰がどう見ても犯罪です本当にありがとうございました。
「え!?ちょ、ちょっと!?」
我に返った伊織が騒ぎ出すが、かまっていられない。
気に食わない兄弟子から学んだ八極拳をつかって阿部に対処する凛に答える暇は無い。
今はこの全裸の危険人物をどうにかしないと。凛はその一点を重視した。
気に食わない兄弟子から学んだ八極拳をつかって阿部に対処する凛に答える暇は無い。
今はこの全裸の危険人物をどうにかしないと。凛はその一点を重視した。
「貴方たち!死にたくなかったら逃げなさい!くっ!」
「よそ見するなんて余裕あるじゃないの」
「あうっ!」
「よそ見するなんて余裕あるじゃないの」
「あうっ!」
凛の腹部に阿部の渾身の蹴りが炸裂する。
重い衝撃に、凛の華奢な体は宙を舞い、窓ガラスを突き破って庭に落ちた。
それを見届けた阿部は、逃げようとする伊織を捕まえようとした。
重い衝撃に、凛の華奢な体は宙を舞い、窓ガラスを突き破って庭に落ちた。
それを見届けた阿部は、逃げようとする伊織を捕まえようとした。
「く、来るな変態!!」
「まて!阿部さん!」
「まて!阿部さん!」
さっきまでどこかに隠れていたカワサキが、中華包丁を向けて叫ぶ。
これは台所から調達したものだ。
料理の機会があると思って台所で調達したものだが、出来れば料理以外に使いたくなかった。
これは台所から調達したものだ。
料理の機会があると思って台所で調達したものだが、出来れば料理以外に使いたくなかった。
(今まともに動けるのは僕だけ。
凛が戦えない以上、僕が伊織を守らないと!)
凛が戦えない以上、僕が伊織を守らないと!)
虚勢を張っているのは分かっていた。
カワサキの手は震えていた。今にも包丁を落としそうなぐらいにまで恐怖を覚えていたのだ。
カワサキの手は震えていた。今にも包丁を落としそうなぐらいにまで恐怖を覚えていたのだ。
「しょうがねえなあ。ちょっと眠っててもらうぜ」
阿部は素早い身のこなしでカワサキの背後に回った。
そして尻の穴らしき場所に指を突っ込み、そのまま撃沈させた。
そして尻の穴らしき場所に指を突っ込み、そのまま撃沈させた。
「アッー!」
そのままカワサキはいろんな意味で昇天した。
阿部はカワサキの脈があることを確認すると安心し、ポケットを奪い取るとすぐに逃げた伊織を追った。
阿部はカワサキの脈があることを確認すると安心し、ポケットを奪い取るとすぐに逃げた伊織を追った。
▲ △ △
ピンク色の四角い乗り物―ポケットにあったワゴンスター―に阿部(全裸)は乗っていた。
計画は予想以上に上出来だ。
先にツインテ女にトドメを刺しておくのもありだと思ったが、デコ女に逃げられて俺の悪評を広められるのは拙い。
ツインテ女に逃げられるかという可能性は極めて低いだろう。
何せ気絶しているカワサキ君がいる限り、追ってくることはないだろうと計算済みだからだ。
そういうわけで、今はワゴンスターとやらに乗っている。
見たことも無い車だが、本職のおかげで車に関してはそれなりの知識はあったので操作は容易だった。
カワサキ君の支給品だろう、40kmは出ているので結構早い。
計画は予想以上に上出来だ。
先にツインテ女にトドメを刺しておくのもありだと思ったが、デコ女に逃げられて俺の悪評を広められるのは拙い。
ツインテ女に逃げられるかという可能性は極めて低いだろう。
何せ気絶しているカワサキ君がいる限り、追ってくることはないだろうと計算済みだからだ。
そういうわけで、今はワゴンスターとやらに乗っている。
見たことも無い車だが、本職のおかげで車に関してはそれなりの知識はあったので操作は容易だった。
カワサキ君の支給品だろう、40kmは出ているので結構早い。
結果的に功を奏して、逃げる伊織を早急に見つけることが出来た。
当人も俺に気付いたようだが、俺はスピードを緩めることなく突撃し、そのまま轢いた。
当人も俺に気付いたようだが、俺はスピードを緩めることなく突撃し、そのまま轢いた。
「いっ!?」
自動車の実験でマネキンが吹き飛ぶように、女は空に舞い上がった。
「ははははは、いい気味だ」
「いっ…一体何なの…よ!
あんた、殺し合いなんかに乗るなんて馬鹿っ…でしょ…!?」
「いっ…一体何なの…よ!
あんた、殺し合いなんかに乗るなんて馬鹿っ…でしょ…!?」
足の骨を折ったのか、デコ女の足はありえない向きにひん曲がっていた。
頭からも血が流れ、自慢のデコが血まみれだ。
俗に言う満身創痍。他に言うとすれば虫の息ってところだな。実に愉快。
頭からも血が流れ、自慢のデコが血まみれだ。
俗に言う満身創痍。他に言うとすれば虫の息ってところだな。実に愉快。
「男は度胸!何でもためしてみるのさ。俺は俺のやり方で優勝するまでだ」
「……サイアクよ、アンタ」
「……サイアクよ、アンタ」
(ああ、確かに俺は最悪な人間かもしれない。
男は一度やるって決めたことは曲げたりしないからな)
男は一度やるって決めたことは曲げたりしないからな)
もう後戻りは出来ない。
優勝への道、その為の最後の仕事が残っている。
俺は伊織のポケットを引き剥がし、一体どんな支給品を持っているのかを確認する。
そこでニヤリ、と笑い水色のボロい拳銃を手に取った。
伊織は目を見開き、表情を強張らせていたが…見逃す手立てはない。
優勝への道、その為の最後の仕事が残っている。
俺は伊織のポケットを引き剥がし、一体どんな支給品を持っているのかを確認する。
そこでニヤリ、と笑い水色のボロい拳銃を手に取った。
伊織は目を見開き、表情を強張らせていたが…見逃す手立てはない。
「恨んでくれて構わないぜ」
一言。ただそれだけ吐き捨てるように言うと、トリガーを引いた。
眉間、つまり人体の急所を確実に捕らえた弾丸は、伊織の身体を痙攣させていたが、すぐに命を摘み取ったようだ。
これで俺はここに居る意味はなくなったということになる。
眉間、つまり人体の急所を確実に捕らえた弾丸は、伊織の身体を痙攣させていたが、すぐに命を摘み取ったようだ。
これで俺はここに居る意味はなくなったということになる。
765プロ所属アイドル、水瀬伊織はこうして殺し合いの舞台(ステージ)から降りた。
いつものように迎えてくれる仲間たちはいないところへ独り帰っていくのだった…。
いつものように迎えてくれる仲間たちはいないところへ独り帰っていくのだった…。
△ ▲ △
私がリビングに戻る頃には阿部はもういなかった。
追いかけてもよかったんだけど、ワゴンスターに乗ってるんじゃあさすがの私でも無理。
願わくば、とは言うものの、車と徒歩では逃げ切るのはおそらく不可能…。
彼女の無事を祈るけど…。
追いかけてもよかったんだけど、ワゴンスターに乗ってるんじゃあさすがの私でも無理。
願わくば、とは言うものの、車と徒歩では逃げ切るのはおそらく不可能…。
彼女の無事を祈るけど…。
とにかく、阿部はカワサキを放置しておくことはないはず。
本来の目的は…どうするかは理解しかねるけど、カワサキ。
きっと、いや、絶対にヤツは戻って来る。
本来の目的は…どうするかは理解しかねるけど、カワサキ。
きっと、いや、絶対にヤツは戻って来る。
「懲りないな。だが次は凛、お前だ」
「今から殺し合おう、って関係のくせに馴れ馴れしく名前呼ばないで頂戴」
「今から殺し合おう、って関係のくせに馴れ馴れしく名前呼ばないで頂戴」
その予測は大当たり、桃色の乗り物に乗った阿部が見覚えのある銃を結わえ、この家に戻ってきた。
何故その銃を持っているか、訊くまでもないことだ。
何故その銃を持っているか、訊くまでもないことだ。
「その銃、返してもらうわよ」
「ああ、これか。殺して奪ったものは、殺したヤツのものだって知らないのか?」
「ああ、これか。殺して奪ったものは、殺したヤツのものだって知らないのか?」
…殺した。
…彼女に罪はなかったはずなのに。
…彼女に罪はなかったはずなのに。
「…そうよね。あんたみたいなの放って置くわけにもいかないの。
だから、私が殺す。彼女みたいな犠牲者を出さない為にね!」
だから、私が殺す。彼女みたいな犠牲者を出さない為にね!」
こみ上げてくる怒りと、悲しみと、後悔の感情を魔力に込める。
左腕の魔術刻印に魔力を通し、ガントを撃つ!
左腕の魔術刻印に魔力を通し、ガントを撃つ!
「おおっと」
阿部はワゴンスターを器用に運転しながら回避する。
悔しいけど、わたしならあんな運転できっこない。
しかしそんな嫉妬は一瞬。どうでもいいことに思考を費やさない。
悔しいけど、わたしならあんな運転できっこない。
しかしそんな嫉妬は一瞬。どうでもいいことに思考を費やさない。
(魔力消費が想像以上ね…長期戦は拙いわね)
自分に課されている主催による制限が、魔力を次第に奪ってゆく。
このままでは魔力切れになってしまうのも時間の問題だ。
このままでは魔力切れになってしまうのも時間の問題だ。
「遊びは終わりにしようぜ」
阿部はポケットから細長い物体を2つ取り出す。それは阿部のランダム支給品。
数あるミックスコピー能力のうちのひとつ、ミサイル型のボムボムだった。
数あるミックスコピー能力のうちのひとつ、ミサイル型のボムボムだった。
(あんな物まで持ってるのね…ますます厄介だわ)
「無駄撃ちさせないでよねッ!もったいないんだから!」
「無駄撃ちさせないでよねッ!もったいないんだから!」
家から盗ってきた宝石を2本のミサイルに飛ばす。
さらに3個目の宝石を阿部に撃ち込む。
ご丁寧にもミサイルは追尾式であったので、単なる迎撃は容易だった。
迎撃による小規模な爆発が発生し、灰色の煙が空を目指す。
さらに3個目の宝石を阿部に撃ち込む。
ご丁寧にもミサイルは追尾式であったので、単なる迎撃は容易だった。
迎撃による小規模な爆発が発生し、灰色の煙が空を目指す。
…だからわたしは、ここまで全ては、阿部の計画の下であったことに気付けない。
「…カウンターだ」
「ソーナンス!」
「ソーナンス!」
直後、突如現れた水色の生物が眩い光を生じ、凛を家まで吹き飛ばした。
がまんポケモンソーナンスのカウンター、つまりミラーコートは凛のガント撃ち、つまり"特殊攻撃"を反射したのだ。
このソーナンスは場合に応じてカウンターとミラーコートを使い分けられるのだ。
がまんポケモンソーナンスのカウンター、つまりミラーコートは凛のガント撃ち、つまり"特殊攻撃"を反射したのだ。
このソーナンスは場合に応じてカウンターとミラーコートを使い分けられるのだ。
「がは…ッ…」
家壁にぶつかった衝撃が頭に襲い掛かる。
ズキズキ痛む頭を抑えると深紅の液体が手にこびり付いた。
視界が歪み、意識が遠のこうとするのを必死に堪える。
ズキズキ痛む頭を抑えると深紅の液体が手にこびり付いた。
視界が歪み、意識が遠のこうとするのを必死に堪える。
(い、今のは…?)
何とかして立ち上がろうとしても、膝が言うことを聞かない。
何が起きたのか分からなかった。
反射か何か、エネルギーを利用した魔術のような…。
とにかく、このままでは非情にマズい。
何が起きたのか分からなかった。
反射か何か、エネルギーを利用した魔術のような…。
とにかく、このままでは非情にマズい。
「さて、と。ここまでだ。死ね」
(まだ、あったの……)
(まだ、あったの……)
阿部は手元に残った最後のボムボムを発射した。
私は知っている。
ホーミング機能を備えたそれは、確実に命を摘み取る為に前進していくのだ。
服に忍ばせていた宝石類は零れ落ち、拾いにいっている間に爆死…ってところね…。
私は知っている。
ホーミング機能を備えたそれは、確実に命を摘み取る為に前進していくのだ。
服に忍ばせていた宝石類は零れ落ち、拾いにいっている間に爆死…ってところね…。
(……あーあ。人の事は言えないな、わたしも)
自らの死期を悟り、瞼を閉じた凛は、自らの甘い行動の数々を思い出していた。
阿部が危険だと分かっていたのに完全に敗北した。なんたる体たらく。
どれもこれも、自分の責任なのだから―。
阿部が危険だと分かっていたのに完全に敗北した。なんたる体たらく。
どれもこれも、自分の責任なのだから―。
(さて、衛宮くん。貴方は何としてでも早くセイバーと合流して、この殺し合いを止めなさいよね…)
死を覚悟したとき、私は爆発する音を聞いた。
それは少しばかり、自分より遠いところで聞こえたのは気のせいだろうか?
それは少しばかり、自分より遠いところで聞こえたのは気のせいだろうか?
▲ △ ▲
「え…?」
凛が閉じた瞼を開いたとき、五体が満足であることに気付いた。
となればミサイルは、自分に当たってない。
ふと見れば深い煙の中、何かが落ちている気がした。
一体何が、と最後の力を振り絞って見れば、そのシルエットはよく知る仲間のひとりのような気がして―
となればミサイルは、自分に当たってない。
ふと見れば深い煙の中、何かが落ちている気がした。
一体何が、と最後の力を振り絞って見れば、そのシルエットはよく知る仲間のひとりのような気がして―
その体は、炭のようにとにかく真っ黒な姿に変わり果てていた。
「まさか!」
「おい、嘘だろ…」
「おい、嘘だろ…」
複雑な心境は両者にあった。最も、根本的には違うのだが。
凛は体の痛みに鞭打ち何とか立ち上がり、宝石を拾い上げると残りの魔力を全て注ぎ込み投擲した。
凛は体の痛みに鞭打ち何とか立ち上がり、宝石を拾い上げると残りの魔力を全て注ぎ込み投擲した。
「ちっ、ソーナンス、カウンターだ」
「ソーナンスッ!」
「ソーナンスッ!」
先ほどのように上手くいくはずと思った阿部がソーナンスに命令する。
ソーナンスは忠実にミラーコートを展開し、それを跳ね返す。
はずだったのだが、先ほどとは比べ物にならない程の威力を伴った宝石はソーナンスの体を突き破った。
それはソーナンスを声を出すことも許さず即死させ、その勢いは止まることなくワゴンスターを破壊するに至った。
実はその宝石はより多くの魔力を長い間注ぎ込んでいた、まさに凛の切り札と呼ぶべきものだったのだ。
エアライドマシンに乗っていたまま破壊された場合、搭乗者は高く吹き飛ばされてしまう。
ゆえに阿部高和は勢いに任せて北の方角へと飛ばされていった。
ソーナンスは忠実にミラーコートを展開し、それを跳ね返す。
はずだったのだが、先ほどとは比べ物にならない程の威力を伴った宝石はソーナンスの体を突き破った。
それはソーナンスを声を出すことも許さず即死させ、その勢いは止まることなくワゴンスターを破壊するに至った。
実はその宝石はより多くの魔力を長い間注ぎ込んでいた、まさに凛の切り札と呼ぶべきものだったのだ。
エアライドマシンに乗っていたまま破壊された場合、搭乗者は高く吹き飛ばされてしまう。
ゆえに阿部高和は勢いに任せて北の方角へと飛ばされていった。
ついに凛の膝が限界を迎え、力を失うように崩れ落ちる。
「……」
少なくとも阿部は死んでいない。
これは勝利ではない、圧倒的敗北。
凛は唇を噛み締め、太陽を見つめていた。
これは勝利ではない、圧倒的敗北。
凛は唇を噛み締め、太陽を見つめていた。
△ △ ▲
目が覚めるのに大した時間はかからなかった。
というか、そもそも気絶などしていなかっただけだが。
あの場面で命に関わりそうだったので、死んだフリをして誤魔化そうと思ったのだ。
予想外にも功を奏し、阿部さんは外へ出て行った。
というか、そもそも気絶などしていなかっただけだが。
あの場面で命に関わりそうだったので、死んだフリをして誤魔化そうと思ったのだ。
予想外にも功を奏し、阿部さんは外へ出て行った。
それから凛が戻ってきて、阿部さんと戦っていた。
実は最初からずっと隠れて見ていたなんて後で言ったら怒られそうだけど、やっぱり自分が一番可愛いから仕方ない。
だから家にずっと隠れて見ていたし、聞いていた。
実は最初からずっと隠れて見ていたなんて後で言ったら怒られそうだけど、やっぱり自分が一番可愛いから仕方ない。
だから家にずっと隠れて見ていたし、聞いていた。
伊織が死んだらしい。
それで凛は必死に戦っているのだ。
何もしないで見てるだけの自分は全然ダメダメだなと思った。
このまま逃げてしまおう。そうすれば自分は助かる。
この家に裏口はあったかな、窓から逃げよう、そんなことばかり考えていた。
何もしないで見てるだけの自分は全然ダメダメだなと思った。
このまま逃げてしまおう。そうすれば自分は助かる。
この家に裏口はあったかな、窓から逃げよう、そんなことばかり考えていた。
ちょっと様子が気になって隠れながらも見てみると、凛が劣勢になっていた。
もしかしたら凛も死ぬのかな。
もしかしたら凛も死ぬのかな。
「それは嫌だなー」
自分が死ぬのは嫌だ。
でも、仲間が死ぬのはもっと嫌だ。
気がつけば自らの足は、戦場に向かっていた。
もちろん武器など無い、丸腰なのだ。
自分でも疑問に思うような行動をとっていると思った。
何も考えもなしで、ただ本能の赴くままに…。
これじゃまたフームやブンに馬鹿にされちゃうよね。しょうがないね。
もちろん武器など無い、丸腰なのだ。
自分でも疑問に思うような行動をとっていると思った。
何も考えもなしで、ただ本能の赴くままに…。
これじゃまたフームやブンに馬鹿にされちゃうよね。しょうがないね。
ミサイルは動けない凛を狙っていた。
だから僕は全力で飛び出して、ミサイルの軌道を無理矢理変えさせた。
ミサイルがこっちを向いた。
本来ならビビって泣いていただろう。
でも今は違う。
だから僕は全力で飛び出して、ミサイルの軌道を無理矢理変えさせた。
ミサイルがこっちを向いた。
本来ならビビって泣いていただろう。
でも今は違う。
(あぁ、一人前の料理人になりたかったなぁ~…)
僕は煙に包まれて、焼かれている。
料理人が丸焼きにされるなんておかしいね。
ギャグマンガとかだったら、何とも無いんだろうけどなぁ。
火がこんなに熱いとは思わなかったよ。
料理人が丸焼きにされるなんておかしいね。
ギャグマンガとかだったら、何とも無いんだろうけどなぁ。
火がこんなに熱いとは思わなかったよ。
でも、悔いはないよ。
今の僕は、自分にしか出来ないことをやっているんだからね。
今の僕は、自分にしか出来ないことをやっているんだからね。
▲ △ ▲
「カワサキ君が…俺のカワサキ君が…ッ!それにソーナンスまで…。
クソッ!あの女、次は絶対殺してやる!!」
クソッ!あの女、次は絶対殺してやる!!」
空を飛ぶ不思議ないい男は遠坂凛に対する憎しみだけを持っていた。
カワサキというメインディッシュ、さらに後で試してみようと思ったソーナンスまでもが死んでしまった。
あの女さえいなければそうなることはなかったはずなのだ。
カワサキというメインディッシュ、さらに後で試してみようと思ったソーナンスまでもが死んでしまった。
あの女さえいなければそうなることはなかったはずなのだ。
彼がどこまで飛んでいくのか、知っているのは誰もいない。
【水瀬伊織@THE IDOLM@STER 死亡】
【コックカワサキ@星のカービィ 死亡】
【残り 51人】
【コックカワサキ@星のカービィ 死亡】
【残り 51人】
【ソーナンス@ポケットモンスター 死亡】
【D-6/1日目・早朝】
【遠坂凛@Fate/stay night】
[状態]:全身打撲、魔力消費(極大)、疲労(大)
[装備]:なし
[道具]:支給品、AIパッチ@MUGEN、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ、宝石(複数)@現地調達、中華包丁@現地調達
[思考・状況]0:様子見
1:…
2:阿部はこの手で殺す。絶対に許さない。
3:これ以上犠牲者を出さない。
4:衛宮くん、セイバー、響を探す
※アニメ14話より参戦
※制限に気付きました。
【遠坂凛@Fate/stay night】
[状態]:全身打撲、魔力消費(極大)、疲労(大)
[装備]:なし
[道具]:支給品、AIパッチ@MUGEN、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ、宝石(複数)@現地調達、中華包丁@現地調達
[思考・状況]0:様子見
1:…
2:阿部はこの手で殺す。絶対に許さない。
3:これ以上犠牲者を出さない。
4:衛宮くん、セイバー、響を探す
※アニメ14話より参戦
※制限に気付きました。
【阿部高和@くそみそテクニック】
[状態]:全裸、疲労(小)、憤り、空を飛んでいる
[装備]:ジャギ様の銃@北斗の拳、果物ナイフ@現地調達
[道具]:支給品*2、フェイファー・ツェリザカ@現実、偽イカ娘(リアルバージョン)@侵略!イカ娘、星のギター@荒川アンダー ザ ブリッジ、不明0~1
[思考・状況]0:優勝していい男だらけの新世界を創造する
1:遠坂凛は絶対に殺す。殺す。
2:誰かを見つけたら積極的に殺す
3:男だったら考える
4:カワサキ…ソーナンス…
5:何処に行くんだろう
[状態]:全裸、疲労(小)、憤り、空を飛んでいる
[装備]:ジャギ様の銃@北斗の拳、果物ナイフ@現地調達
[道具]:支給品*2、フェイファー・ツェリザカ@現実、偽イカ娘(リアルバージョン)@侵略!イカ娘、星のギター@荒川アンダー ザ ブリッジ、不明0~1
[思考・状況]0:優勝していい男だらけの新世界を創造する
1:遠坂凛は絶対に殺す。殺す。
2:誰かを見つけたら積極的に殺す
3:男だったら考える
4:カワサキ…ソーナンス…
5:何処に行くんだろう
※D-6エリア南部に水瀬伊織の死体があります。
※D-6エリア南部・民家にカワサキの死体、ソーナンスの死体、ワゴンスターの残骸があります。
※D-6エリア南部・民家にカワサキの死体、ソーナンスの死体、ワゴンスターの残骸があります。
【ボムボム@星のカービィ】
口から小型ミサイルを3本発射する。発射されたミサイルは敵や障害物にぶつかるか、一定時間が過ぎると爆発する。
ミサイルにはホーミング機能があるが性能はイマイチ。
英名は「Missile(ミサイル)」。
口から小型ミサイルを3本発射する。発射されたミサイルは敵や障害物にぶつかるか、一定時間が過ぎると爆発する。
ミサイルにはホーミング機能があるが性能はイマイチ。
英名は「Missile(ミサイル)」。
【宝石@現地調達】
民家に置いてあった数々の宝石。
あまり高価なものではない。
民家に置いてあった数々の宝石。
あまり高価なものではない。
【中華包丁@現地調達】
しぎ切りや薄切り、骨付き肉・魚の調理まで、一本の包丁で中華料理を作る。
長方形なのが特徴。
しぎ切りや薄切り、骨付き肉・魚の調理まで、一本の包丁で中華料理を作る。
長方形なのが特徴。
No.049:才能は勝利をもたらすが、チームワークと知性は絆をもたらす | 時系列順 | No.051:Our Innocence |
No.037:不思議な邸宅にみんな集まる | 水瀬伊織 | GAME OVER |
No.037:不思議な邸宅にみんな集まる | 遠坂凛 | No.062:救済 |
No.037:不思議な邸宅にみんな集まる | コックカワサキ | GAME OVER |
No.037:不思議な邸宅にみんな集まる | 阿部高和 | No.067:完全・必勝 Yes,I'm OK!! |