〔基本書〕

※備考:平成18年法人部分の改正(平成20年12月1日施行。【法】)

 

  • 【法】四宮和夫=能見善久『民法総則』弘文堂(2010年5月・8版)……能見の改訂は賛否両論。分かりやすくなったとも,格調が下がっ たとも。オーソドックスな作りの基本書であり、今なお無難な選択肢ではある。かなり詳細な議論にわたる個所もあり、横書き430頁と最近の体系書の中では 厚い方であるといえる。
  • 【法】佐久間毅『民法の基礎1』有斐閣(2008年3月・3版 2012年3月・補訂2版)……著者は京都大学教授であるが、東大の指定教科書にもなった総則の決定本。基礎という名の通り、判例の立場を中心にわかりや すい説明。その一方、補論では緻密な論理展開で、かなり高度な議論が展開される。
  • 潮見佳男『民法総則講義』有斐閣(2005年4月)……講義レジュメが元。B5サイズだが500頁超で内容・量ともに重厚。ケースメソッド。初学者向けとされているが内容は高度。要件事実への配慮もなされている。
  • 【法】野村豊弘『民法I』有斐閣(2008年4月・2版補訂)……東大系。シンプル。物足りない感はあるかも。キーワードのまとめがあり,確認に便利。
  • 【法】平野裕之『民法総則』日本評論社(☆2011年12月・3版)……詳細。民法総合シリーズへ統合されないまま改訂された。
  • 辻正美『民法総則』成文堂(1999年4月)……遺作。京大学派が補訂。本質論重視,判例や既存の学説を踏まえつつも鋭い問題指摘。
  • 【法】河上正二『民法総則講義』日本評論社(2007年11月)……東北大教授をへて東大教授。法セミ連載を単行本化。ローマ法の歴史を踏まえて 民法総則を解説する。判例よりも性質論に厚く、示唆に富む。専門分野である消費者契約、約款論の記述に特徴がある。634ページという山本に次ぐ厚さだが ヤマケイがレジュメ調に整理しているのに対してこちらは法哲学からの流れを重視し説明が重厚。文体は人文系の厚い本に似た感触がある。
  • 池田真朗『スタートライン民法総論』日本評論社(2006年12月)……基本的には総則の入門書だが、最初に物権や債権等の概観を記述にいれてるため、読みやすい。
  • 【法】山本敬三『民法講義I』有斐閣(2011年6月・3版)……京大教授。684ページと、総則分野の本ではかなりのボリューム。といっても、 図を多用しているため、本文の量は他の本よりやや多い程度。特に錯誤論の整理に関して、非常に評価が高い。好評の要件事実表をさらに進化させた規範構造表 を新設。
  • 四宮和夫「『民法総則』弘文堂(1986年・4版)……通称四宮旧版。能見が改定する以前の版。「四宮」として基本書で引用される方。(現行の方 は「四宮・能見」)。債権法で平井が我妻説にアンチテーゼを提起したのに対し、四宮はこの本で我妻説を批判し有力説を築いた。薄いが内容は圧倒的な濃さ。
最終更新:2013年02月24日 18:27