「特別な夜だから」/黒ブキ◆lg0Ts41PPY




今夜はクリスマスイブ。桃園家でのクローバーのクリスマスパーティーは
大盛況の内に幕を閉じた。
因みに桃園夫妻は親孝行な娘達の画策…もとい心暖まる進言より、
ラブが産まれて以来初めての二人きりのクリスマスデートに出掛けている。


そんなワケで、四人でのパーティーは大人の目を気にする事なく
適度にハメを外して楽しんだ。
そして友達として思う存分楽しんだ後は、今夜は特別な夜。
恋人達の時間に突入するべく、まだ名残惜しさを引きずりながらも解散。
後はそれぞれのカップルに別れての聖夜が始まる……。
はずだったのだが。



「せつなっ!ちょっと待った………って、行っちゃったよ…。」



ラブの止める声も届かない内に、アカルンで飛んで行ってしまったせつな。
恐らく、今あの二人は忘れ物どころじゃないと思うんだけど……。



(あーあ……。知らないよ…。)



と、思った次の瞬間、



「きゃぁああぁーー!!」


「!!!」



ガシャガシャガシャー!と言う派手な音と共に、せつながまだ片付けの
済んでないダイニングテーブルの上に落ちて来た。
一応使用済みの食器なんかは洗ったが、テーブルの上には
ラブが明日食べようと残していたケーキの残りが置いてあったワケで……。
モロにケーキの上に落ち、足をクリームまみれにして呆然するせつな。
そのせつなを見て、これまた呆然とするラブ。
我に返り、とっさにテーブルから降りようとするせつな。
これまた、一瞬遅れて我に返ったラブが慌てて制する。



「待った!降りない!降りちゃダメ!!降りるな!!被害が広がる!!」



せつなはストップモーションの様にピタリと静止する。
ラブはせつなに尻餅を付かせるような格好にして、被害状況を調べる。
白い脛と内腿、ラブが頼み込んで着てもらったミニスカサンタの
衣装のスカートにもクリームが付いている。
取り敢えず、下敷きになっている皿やら回りを綺麗にしていると……



「あの……。ゴメン……。自分でやるから…」


「うーごーかーなーいー!じっとしてる!ホラ、これも脱いで。」


「あっ!ちょっと!」


「ここで全部始末しちゃった方が早い。
もーう!ケーキ明日のお楽しみだったのに。」



しゅんとするせつなから赤い衣装を脱がせ、あっという間に下着姿に
してしまった。



「あたしが良いって言うまで動いちゃだめ!」



ラブが服を始末したり飛び散ったクリームを拭いたりしている間、
せつなは下着だけでダイニングテーブルの上に捨て置かれると言う
放置プレイに晒される事になった。
かなり……シュールな光景だ。



「さて、これで後はせつなだけだね。」


ホッとしてせつながテーブルから降りようとした瞬間……




ぺろり!




ラブがせつなの足に付いたクリームを舐めた。



「やっ!ラブっ!」


「だーかーらー、動かないの。」


「や、やめて…。汚いわ……」


「もったいないよ!このケーキ美味しかったのに!」



ペロペロとクリームを舐め、スポンジの欠片をこそげ取っていくラブの赤い舌。
それが内腿に侵入して来ると、せつなの皮膚の下にくすぐったさとは違う、
むず痒い感覚が産まれてくる。
せつなの体がカァっと火照り、冷たいクリームが緩んで白い肌を流れる。
ラブの熱い舌が濡れたビロードの様に這い回り、その感覚に
体の奥から熱が降りてくる。



「ね、ねぇ、もういいでしょ?洗ってくるから…」
放して?そう言って足を掴んだラブからせつなが逃れようとする。
するとラブは上目遣いにせつなを見つめ……



「ねぇ、せつな。何見たの?」



途端にただでさえ熱くなっていたせつなの体温が急上昇した。
薄暗がりに浮かび上がる美希の白い体。焦点の定まらぬトロンとした瞳。
そんな美希をこの上なく愛しそうに髪を梳き、微笑む祈里。
祈里の微笑みは慈母の穏やかさを湛えているのに、何故か
瞳に猛禽類のような獰猛な光がちらついているように思えた。
その爪で艶かしい獲物に食らい付き、そして捕えられているはずの獲物は
どこか恍惚の表情を浮かべている。
白い喉笛に牙が突き立てられるのを、今か今かと待ち焦がれているような。



わたしも、あんな顔をいつもしているのだろうか……。
そして、ラブも………。



「い、言えないわ……。そんな…!」


「ふうん……。つまり、言えないような事、してたんだ?」


「……!!ーーあっ、あんっ!あぁっっ!」



ラブが下着の上からせつなの秘部を甘噛みする。
布越しに、尖った快感の集中する突起を歯でしごく。
横から指を入れ、濡れ具合を確かめる様に覗き込んだ。



「あっ!イヤっ……見ないで……」


「今さら恥ずかしがらなくても。
せつながエッチなコだって事くらい知ってるよ。」


「やっ……!やぁあん!!」


下着の中でくりくりと突起を捏ね回す。
すぐには昂らないように、桃色の真珠を包む包皮の上から揉み込む。



「ねぇ、せつなは気が付いた?」


「ーーんっ、んぅ……?」


「美希たん、トナカイさんの下、何も着てなかったんだよ。」


「ーー?ーえっ?」


「ブッキーがねぇ、やたら美希たんのお尻のあたりチラチラ見てたの。
何でかと思ったらねぇ…!」



少し破れてたんだ。そこからね……
そりゃ、あの格好で来て帰るしかないよ。



「まったく、あの二人もよくやるよねぇ。
人んち来るのに何考えてんだか。」



下着の中の悪戯を止める事なく、ラブはせつなの様子を窺う。
上に手を伸ばし、ブラを手探りでずらしながらせつなの耳元で囁く。



「あたしのお願いなんて可愛いもんでしょ?」



今日せつなが着けているのは、赤いレースが繊細なブラとショーツの一揃い。
乳房を包む部分は殆ど透けそうなレースのみ。
かっちりとしたワイヤーの入らない、自然な丸みが出る作りだ。
下も同じく淡い茂みを辛うじて隠す程度の布を細いリボンが繋いでいる。
殆ど下着としての用をなさない、扇情的で見る者を挑発する為だけの物だ。
「今夜は特別な夜だから。」と、せつなを拝み倒して付けて貰った。
全身を桜色に染めてモジモジと俯くせつなは、
その場で食べてしまいたいほど可愛くいやらしかった。
今まで美希と祈里の目を盗んで、物陰でスカートを捲ったり、
胸元を覗き込むだけで我慢していたんだ。



(脱がせちゃうの惜しいけどね………。)



「ほどくよ…?」
乳房を荒々しく揉みしだき、しこり立った乳首の先端に爪を立てる。
耳たぶに舌を這わせながら、シュル……と
少女の最後の砦が暴かれる。



「…………っあ…………」


膝に手を掛けると弱々しい抵抗の後、驚くほどすんなりと
せつなの恥じらいは武装解除してしまった。
ふっくらと充血した花弁がほころぶように
花開き、その中心にたっぷりと蜜を湛えていた。
その上に息づく蕾は快感への期待に震え、
初々しい桃色の膨らみを覗かせている。


「可愛い……。ねぇ、食べちゃってもイイ?」
ラブは腿に一掬い残しておいたクリームを、その蕾に塗り付ける。



「はぁっ、やっ…あ……!」

「ふふっ……、いただきまぁす。」
パクリ!と口に含み、ねぶり回しながら苛め抜く。
硬く、柔らかく、せつなの一番感じる部分が意地悪な舌で好き放題になぶられる。


羞恥と快感がせめぎ合い、せつなの内側から心身を炙る。
泣きたくなるほどの愉悦が駆け巡り、羞恥を快感が溶かして行く。



「あんっ、あんっ、あんっ、あぁぁ、はぁ…、いっ…んあっ、あっ……」
涙を飛ばしながら激しく頭を振り、ラブの舌が突起を捉える度に
せつなはビクンっビクンっと腰を跳ねさせる。
ふるふると小刻みに走る震えが、せつなの絶頂が近い事を知らせてきた。



つつ……、と愛液と唾液の混じった糸を引きながら、ラブの舌と
せつなの快楽が離れる。
「どして?」そう目で訴えながら、
せつなはハァ、ハァ…と大きく胸を上下させる。
天国へ登り詰める寸前でお預けされ、行き場を失った欲望が
子宮を切なく締め付ける。



「せつな、これからどうしたい?」
ラブは両の乳首を摘まみ上げ、指の腹で敏感な先端を摩擦する。
左右交互に軽く引っ張っては放し、チロチロと舌先でくすぐり、
時々強く吸いつきながら甘噛みする。



「はぁっ…んぅ、あ…っ…ぁう…ンッ!」
せつなはラブの頭を掻き抱きながら身を捩る。
乳首への甘美な刺激が、ますます足の間に火を灯し、悦びを教え込まれた
幼さを残した体を責め苛む。


「ねぇ、言って?せつな。次はどうして欲しい?どんな風にイキたい?」



せつなの好きなように、してあげるから。



「………ーっ、な、中にも、…欲し、いの……」


「何を?」


「……ら、らぶの指、………お願い、奥…まで……」


ラブはうっとりと笑み崩れ、せつなの唇に貪りつく。

「ンッ…んぅぅ…、らぶぅ…、ら…ぶ」
甘く蕩けた声でせつながすがり付く。
乳首を弄んでいた指が脇腹から鼠径部を撫で、濡れそぼった
花弁を掻き分ける。
「んっ!ふぅっ……!ぅんんっ!」
唇を塞がれたまま、せつなが指を誘い込もうと腰を揺らす。
ラブは指を2本、一気に奥まで貫きながら掻き回し始める。


「ーーふあっっ!はぁああぁ…、あっ!あっ!」


「気持ちイイとこ、全部触って欲しいんでしょ?
せつなは欲張りだね!」


ぐちゅっ!ぐちゅっ!とキツくすぼまった秘孔を引っ掻くように
中指と人差し指を抜き差しする。
放って置かれた屹立仕切った蕾を摘まんで捻る。
舌は乳首を舐め回しながら、唇で乳房に赤い印を刻んでいく。


「あーーっ!あぁぁ…んっんっんっ!!ダメっ、いゃあぁ!」


「イイの?せつなっ、気持ちイイ?」


「ああっ、ああっ、もうっダメっ!ダメ…あっ、ーーー……っ!!」



ガタガタとテーブルが鳴り、せつなが大きく仰け反る。
緊張を繰り返した肢体が、やがてしどけなくラブにしなだれかかる。



「………どして?……どして、こんな……っーー!」ラブの肩口に額を擦り付け、せつなが涙混じりの声を漏らす。



「んー、ゴメンね…。そんなにイヤだった?」


「……イヤじゃ…ない、けど…。」


「今夜は特別な夜だからって事で、許して?」


「そんなに、特別なの……?」


「そーだよ。」



だから美希も普段なら絶対しないような事、してたでしょ?
大事な人を喜ばせたいから。



「ね、せつな。部屋、行こうか?
あたしまだまだ、せつなを気持ち良くしたい。」
抱き締めたせつなが、ふるっ、と震える。




「アカルン……、私の部屋へ……。」



暗く冷えきった部屋のベッドは火照った体の熱を容赦無く奪う。
でも大丈夫。すぐに温かくなるから。


だって今夜は特別な夜。恋人達の時間は、まだ始まったばかり。




~おまけ~



「ねぇ~、美希ちゃん。機嫌直してよぅ。イイじゃない、
真っ最中じゃなかったんだし。一瞬だったし。」


「祈里は服着てたじゃない!それに、それに…バッチリ裸は見られた!」


「まあまあ、きっとせつなちゃんもラブちゃんにお仕置きされてるから。」


「何でそんな事分かるのよ…?」


「うふふー、見ちゃったんだ。せつなちゃんね、
すっごいエッチなパンツ穿いてた。」


「……いつ、見たの?」


「キッチンでね、ラブちゃん達がケーキの用意してたでしょ?
ラブちゃん、せつなちゃんのスカート捲っておしり撫で回してた。」


「……………。」


「今度会ったらその事からかってあげればいいんじゃない?」


「………。」


「だからね?美希ちゃん、せっかくの夜なんだからさ……。」


「ーーーっあんっ!祈里ぃ……。」


「美希ちゃん……、可愛い……。」




後日、馬鹿正直にその事を突っ込んだ美希。
しかし、逆に裸トナカイを突っ込み返され、盛大な自爆を遂げた。


美祈25は、せつなが見た二人のお話(R18)
最終更新:2013年02月16日 20:12