【大切なひと】~【片恋】後日談~/恵千果◆EeRc0idolE




最近すっごくモヤモヤしてる。
あと一歩な気がするのに、届きそうで届かない。
そんなふたりの距離がもどかしくて。


私がずっと片思いしていたのは、幼なじみの美希ちゃん。
けど、ひょんなきっかけで両思いだとわかり、付き合い始めたばかり。
今は最高に幸せな時期…なはず。


なのに、美希ちゃんってば、私にキスしかしてくれない。
それも子供にするようなキスばかり。
私がお子ちゃまだから?


これでも色々と、その…アッチのお勉強もしてるんだよ。
女の子同士の愛し合い方だって、少しは知ってるつもり。
美希ちゃんに、いつ「祈里が欲しい」って言われてもいいように、
勝負下着だって着けている。


「今夜、パパとママ遅いの。良かったら遊びに来ない?」
この前、勇気を出して誘ってみたけど、答えはNO。


その後も、二人になれそうな日は何度も誘ってみた。
でも答えはNOばかり。


「ダメよ!あ、え~と、あ!そうそう!弟と先約が…ゴニョゴニョ」
とか、
「さ、撮影が入ってて、アハハ、ゴメンね」
とか。
巧くかわされてしまう。私、魅力ないのかなあ?




そんなことばかり考えていると、
美希ちゃんとのデートはあっという間。


「…なのよ。ん?祈里、聞いてる?上の空ってカンジ」


「そ、そんなことないよ!」


「そう?それでさ、今夜ママったら、彼氏とデートで朝まで帰らないって。
ったく、年頃の娘を置いてオトコと朝帰りなんて、
祈里もひどいママだと思うでしょ?」


「え…、うん、そうね、美希ちゃんのママ、不良よね、アハハ…」
美希ちゃんが、今夜ひとり…?


チャンスよ!祈里!このチャンス、必ずつかんでみせる!
言えばいつもみたいに断られちゃうに決まってる。
だから黙って、強引に泊まりに行っちゃおう。
きっと上手くいくって、私信じてる!



   *******


はーあ。またため息ついちゃった。
最近、祈里とのデートの後はいつもこう。
その時不意に、ラブが脳裏に浮かぶ。
「ダメだよ、美希たん!ため息つくと幸せが逃げちゃうんだよ。
幸せはゲットしなきゃ!」
ラブの言葉を思い出して、出そうとしていたもうひとつのため息を、
アタシは慌てて飲み込んだ。


「ママー、ただいまー。夕ご飯なーにー?」
しーん、と静まり返った玄関。
…あ、今夜、ママ居ないんだっけ。


まずシャワーを浴びようっと。
じっとしていると祈里のことばかり考えてしまう。


少し冷たい温度のシャワーに身体をまかせる。
火照った身体を、少しでも落ち着かせようとして。


でも…頭から追い払おうとすればするほど、祈里は
アタシの心の扉をこじ開けようとするみたい。




シャワーを終えて、バスタオルを巻きつけたまま、
リビングのソファに横たわる。


すぐにアタシの頭の中は、祈里へのよこしまな思いで侵食されていく。
ダメだと思いながらも止めることができない。


空想の中で、アタシは祈里を淫らな格好にし、
卑猥な言葉を吐かせる。


「美希ちゃん…しよ?」
空想の祈里はあたしを見上げる。
現実の彼女とは正反対の、誘うような瞳で。


ダメよ…あたし、まだ貴女を大切にしたいの。


「お願い…じらさないで。
 美希ちゃんもホントは私が欲しいんでしょ。
 ほら、もうこんなに…」


空想の祈里になりきって、アタシは敏感な場所に手を伸ばす。


くちゅ くちゅ


「あ…はぁ…ふ…ぅん…いの、り…」


空想はいつも同じ内容。
彼女と愛し合う妄想で、ひとり快楽に耽ってしまう。


「あぁっ!祈里ッ!」


・・・・・また今日も、彼女を汚してしまった。




淫らにはだけたバスタオルを再び巻きなおし、
もう一度シャワーを浴びに行こうと立ち上がった時。
ピンポーン。玄関のチャイムが鳴った。


来客の映像を確認して、言葉を失った。
そこには、制服姿の祈里が映っていたから。


「祈里どうしたの!?もう20時近いよ。ご両親心配するじゃない」
「美希ちゃんお願い!大事な用があるの。入れて」


いつになく真剣な祈里の気迫に押されて、
アタシは思わず鍵を開けてしまった。ガチャッ。


倒れこむようにアタシに抱きつく祈里。


「美希ちゃん…私のこと好き?」


「な、なによ急に!照れるじゃない」


「いいから答えて!」


今日の祈里、いつもと違う…。


「そりゃ、好きよ、わかってるでしょ!」


「じゃあ証明して」


「証明?どうゆうこと?」


祈里は、ちょっと怒ったような、拗ねたような表情で、
恥ずかしそうに言った。


「…抱いて」



   *******


祈里はそう言うと、呆然とする美希を寝室へと引っぱっていき、
ベッドへ押し倒した。


「ま、待って!祈里、待って!」


うろたえる美希に耳を貸そうともせず、
祈里は美希のバスタオルをはいでいく。


さっきの手淫によってもたらされた快感の跡は、
美希の身体のあちこちにまだ残っている。


まだ硬いままの乳首に祈里のくちびるが触れる。


「はん!」


まるで悦んでいるようなあられもない声が出てしまう。


「や…祈里、やめて…あぁっ…
 アタシまだ貴女を汚したくない。大切にしたいの」


「もう待てないよ、じらさないで、私のモノになって」


祈里の指先が、容赦なく脚の間に伸び、
さっき達したばかりの淫豆を弄び始めた。


「おかしいなぁ?美希ちゃん、もうこんなになってるじゃない」


大量に流れ出た美希のものを指に絡めながら、
たしなめるように祈里は言った。


「もしかして、自分でシテたの?ダメじゃないの…」


「ふ…んっ…あぁ…はっ…だっ、て…」


「だって、なあに?」


罰を与えるように、美希の乳首を甘噛みする祈里。


「はあ!んん!」


「キレイ…感じてる顔の美希ちゃんもすてき。
 そんな顔されると、たまらなくなっちゃう」


美希に快感を与えながら、次第に祈里の顔も紅潮しはじめる。
祈里の白いショーツには、いつしか染みができていた。


「お願い。私も、はやく美希ちゃんのものになりたい…」


「わかったわ…今までずっと我慢してた。大切にしたかった。
 さっきも、貴女を想って自分を慰めてた。
 でも、もう我慢するのはやめにする」


美希は、祈里のスカートをたくしあげ、
ショーツの上から敏感になっている部分を擦りはじめた。


「ああ…ずっと…ずっと夢見てた…美希ちゃんとこうなること」


「アタシもよ…」


祈里のブラウスの胸だけをはだけ、服は脱がさない。
ブラジャーのフロントホックをはずすと、ふたつの膨らみは
自由を獲たように、美希の手のひらを跳ね回る。


可愛がってと言わんばかりに隆起した先端を、そっと口に含む。
汗の混じった祈里の香りが鼻孔をくすぐる。
少しだけしょっぱい。ゆっくり味わいながら、舐めたり、吸ったりした。


すぐに祈里は歓声を上げはじめる。
驚いた。なんて感じやすい子。


「祈里…こんなこと、初めてよね?」


「ん…でも…私もずっと、美希ちゃんを想って…シテたから…」


祈里は消え入りそうなかぼそい声で、恥ずかしそうにつぶやいた。
そんな彼女の小さな耳を、美希は念入りに舐め上げる。


「んっ…それ、すっごくスキ…」


耳朶への初めての愛撫によってもたらされる感覚。
波のように襲う快感に、祈里は顔をゆがめた。


そのまま唇に移動し、舌を入れ、祈里の口内を侵す。
ふたりがいつも交わす、ついばむような小鳥のキスではなく、
獰猛な獣のような、激しいくちづけ。


長い時間をかけ、舌でむさぼるようにさぐりあった後、
美希は身体を下にずらして行き、再び乳房にくちづけて愛撫を加えた。
祈里の声は今や、とどまることなく大きくなっていく。


乳首を口に含みながら、美希は祈里を見つめた。


「祈里、感じてるのね…めちゃくちゃ可愛い」
「やんっ…!美希ちゃ…はっ、ずか、し、いんっ…」


充分に可愛がり、唾液にまみれた突起を左の指で弄りながら、
右手でショーツをずらす。
脱がせやすいように、自然と腰を浮かせる祈里。
そんな気遣いも可愛く、胸が熱くなる。


今、アタシたち、愛し合ってる。
脚を開かせると、美希の眼前に、祈里の花園が広がった。


「やん…あんまりじっと見ないで…」


蜜があふれ、ヒクヒクと震える柔襞に、そっとくちづける。


美希の舌が、祈里の中心の膨らみを捕らえた。
電撃を受けたように、肢体を振るわせる祈里。
舌でこじ開けるように舐め取っていくが、
どれだけ舐めようと、泉は尽きることはない。


「あっ、んっ…はぁ、美希、ちゃん…も、ダメ…」


「我慢しなくていいのよ。でも黙ってイっちゃダメ。
 かならずイクって言いなさいね」


せつなそうな祈里の瞳を見ながら、美希は快感の楔を打ち込み続けた。


「あああ!もうっ、いっ、イクイク、イっちゃう!あああああ」


祈里の白い肢体が、激しく震え、
やがてヒクヒクと最後の痙攣を繰り返した。


美希は満足そうに顔を上げ、祈里にキスをした。


「わ、たし…美希ちゃんのものに、なれたん、だね…」
「そうよ。もう絶対はなさないから」
最終更新:2013年02月16日 19:43