「熱く短く静かな夜」/黒ブキ◆lg0Ts41PPY




背中に柔らかい感触と温もり。
そして素肌を滑る指先を感じて、美希は微睡みから引き戻された。



(……ん…?……な、に?)


ビクッと震えが走り、乳首を刺激されている事に気が付いた。
もう片方の手は既に下着の中に潜り込み、やわやわと
薄い茂みをまさぐっている。
まだ半分夢の世界にいた美希は一気に覚醒する。



(やだ…!祈里ったら何考えてるのよ!)



上のベッドにはラブとせつながいるのに……!



何となく恒例となってきているパジャマパーティー。今夜は桃園家。
ラブの部屋でラブとせつなはベッドに、美希と祈里はその下に
布団を敷いて寝ていた。
今まで何度かこう言うお泊まり会はしているが、こんな事をしてくるのは
初めてだった。




「………ん………ふっ………ぅ…んっ……」




(……ーーっ!……せつな?)




上から漏れ聞こえる湿った息遣い。
耳を澄ますと微かに響く濡れた場所を掻き回す音と、
シーツを引っ掻くような衣擦れの音。




「……せつな、声出しちゃダメ…。」




宥めるようなラブの声は、抑え切れない興奮に甘く掠れている。
恐らく必死に声を噛み殺しているだろうせつなの様子を
楽しんでいるのが、ありありと感じ取れた。




(ーーっあん!やだぁ……。)



上の二人に気を取られている隙に、祈里の指は美希の奥まで
忍び込んでいた。
柔らかな秘肉をかき分け、指に蜜を絡め取る。
熱く疼く突起を探り出すと、押し潰すように圧迫しながら
指の腹を擦り付けてくる。



(あっ!あっ!そんなにされたら…!)



乳首と陰核を同じリズムで捏ね回され、快感が出口を求めて
美希の全身を這い回る。
せつなのように、僅かな吐息を漏らす事も許されない。
ほんの少しでも息を漏らせばバレてしまう。
美希は歯を喰い縛り、全身の筋肉に力を入れ、
愉悦に跳ね上がりそうになる体を押さえていた。




「……ほら、せつな、足閉じないの。だから逝けないんでしょ?」


「……っ!……ふぅ…っ!」


「…イカなきゃ、終わらないよ……?」




ラブの声と共に、美希の耳元に祈里の昂った吐息が漏れるのを感じた。
美希の乳首と秘所を弄ぶ指使いが激しくなる。
体の中で膨れ上がる快楽に美希は目を霞ませる。
やがて、キシッ…キシッと鳴っていたベッドの軋む音が止まり、
熱の籠った空気が揺れる。




せつなが、達してしまったのを感じた。




その気配を祈里も読み取ったのか、激しさを増していた
愛撫の手を一端止め、ラブ達の様子を息を殺して窺っている。
ドクドクと体中を駆け回っていた血液が足の間に集まってきた。
美希は疼く体を持て余しそうになりながら、じっと堪える。



しばらくすると、ラブはせつなを促し部屋を出て行った。
覚束ない足取りでラブに支えられながらせつなが付いて行く。




「……どうやら、続きはせつなちゃんの部屋でするみたいね……。」


祈里は美希をコロンと仰向けにして、髪を撫でる。



「美希ちゃん、えらかったねぇ。イイコイイコ…。」


「…祈里ぃ…。」


じっと、声を立てずに耐えた美希を労るように、額から
頬に唇を這わせる。



「頑張った子にはご褒美あげないと、ね?」



美希は自分から下着を脱ぎ、大きく足を開く。
体に燠火のように燻る情欲は、もうとうに限界を迎えている。
早く、滅茶苦茶にして欲しい。もう、我慢なんて出来ない。



「もう…美希ちゃんったら。お行儀悪いよ?」



少し意地悪い祈里の物言いに頬を染めながらも、美希は逆らわない。
僅かな羞恥は快楽へのスパイスにしかならない事を、もう身に染みて
教え込まれてしまったから。



「あんまり大きな声出しちゃダメだからね。」


「あっ!はぁああっ、ああんっ!」



美希の足の間に顔を埋める。
熱く滑らかな舌が、敏感な場所を余す事なく容赦なく責め立てる。



隣の部屋でも、多分同じ事が行われてる。
せつなも抑えていた恥じらいをかなぐり捨て、思う存分ラブに
泣かされているのだろう。


さっき、漏れ聞いた切な気な吐息が美希の耳に甦る。官能に咽び泣くせつなの姿を思い浮かべ、
美希はいつも以上に貪欲に昂るのを自覚した。



今夜は見も世もなく、祈里を求めて乱れてしまいたい。
祈里も、きっと同じ事を望んでるはず。


美希は、自ら祈里の頭を押さえ付けるように腰をくねらせた。



短い夜を、少しでも長く楽しむために。



ラせ2-21はラブせつサイド。(R18につき閲覧注意。)
最終更新:2013年02月16日 17:25