「ふたりっきりの夜」/◆BVjx9JFTno




インターホンの音に気づき、
玄関に向かう。


つい、小走りになる。


ドアを開ける。


祈里の姿。


顔を見合わせ、
笑顔を交わす。



祈里の手には、
小さなトートバッグ。


パジャマが入っている。



ママは、お仕事の
慰安旅行。



子供の頃から、こうやって
パジャマを持って、泊まりあっている。



ほとんど、変わらない。


ただ、今、違うのは、


そのパジャマを、着ることが
無いこと。




グラタンを作って、
一緒に食べる。


お互いに、時々
食べさせあったり。


その後は、ケーキと紅茶で、
たくさん、おしゃべりする。


祈里との、楽しい時間は
あっという間に過ぎる。



一緒に、お風呂に入る。



垂らしたアロマオイルで、
湯あたりもなめらか。


安らぐ香りに身を任せ、
寄り添う。


香りとは反対に、ふたりの
胸の鼓動は、どんどん早まる。


お湯が、胸の鼓動に
合わせるように、細かく揺れる。



自然と、口数が
少なくなる。



パジャマには着替えず、
バスタオル一枚だけ巻く。



祈里と手を繋いで、
部屋に向かう。




電気を消した部屋。



お互いの体を包む
バスタオルに、手をかける。


はらりと、バスタオルが落ちる。


ふっくらとした、祈里の
体のラインが浮き上がる。



祈里が、アタシのベッドに
仰向けに転がる。


アタシもベッドに上がり、
ゆっくり、顔を近づける。


暗い部屋でもはっきりと解る、
潤んだ瞳。


近づくにつれ、瞳の中の
光が揺れる。



揺れる光が、まぶたで
突然、消える。



「美希ちゃん...好き...」



次の瞬間、唇が触れあう。


ゆっくりと口づけあい、
回すように、舌を絡めあう。




背中に回った祈里の指が、
艶めいた動きで這い回る。



密着した胸を、少し離す。


乳首どうしが触れ、二人の体が
同時にぴくんと震える。


お互いの、硬く尖った感触に
微笑みながら、吐息を漏らす。



両手で、祈里の膨らみを
包むように揉みしだく。


しっとりと上気した祈里の肌が
手に吸い付く。


手のひらを押し返す、固い感触を確かめ、
それを口に含む。


「はっ...ん!」


いっそう固く尖る乳首を、
舌でころころと転がす。


祈里が、恥ずかしそうに身をよじりながら
矛盾するように、胸をつき出す。



祈里の指も、アタシの乳首を
さわさわと、まさぐる。


電流が走るような刺激に、
思わず唇を離した。



激しく、あふれてくる。



内腿に感じる、
滴る感触。




祈里の手がするすると降り、
アタシの敏感な部分に滑り込む。



突起を指でくるくると撫でられ、
腰が喜ぶように跳ねる。



「美希ちゃん...」


甘い声。
艶めいた指の動き。



アタシも、祈里の内腿に滴るしずくを
拾い上げながら、泉に指を沈める。


かき回すたびに、祈里の甘い声が
耳元をくすぐる。



声と吐息が、だんだんと
間隔を縮め、荒くなる。



大きく、祈里の足を拡げる。


「や...恥ずかしい」


恥じらいの仕草とは反対に、
拡げた部分は、待ちわびるかのように
ゆらめいて光っている。




そこを、重ねる。



そこだけ、別の生き物のように
お互いを吸い合う。



同時に、声をあげた。



触れあう音が、やけに
大きく聞こえる。



いっそう甲高くなる、
祈里の声。



円を描くように腰を回し、
敏感な突起をすり合わせる。



あわせるように、
祈里の腰も動く。



むせかえるような熱気。


部屋に響く、声と、
吐息と、音。



夢中で、愛撫を交わす。




「美希ちゃん...!私もう...!」


「いいよ、祈里...」



祈里が、下唇を噛みしめ、
首を激しく横に振る。


「だめ...!一緒に...!」



必死に耐えながら、祈里が
腰を擦りつける。



愛しくて、たまらない。



興奮して、たまらない。



アタシも貪るように腰を擦りつけ、
祈里の耳元に唇を寄せる。



「祈里...大好き...」



祈里の体がぴくんと震え、
次の瞬間、細かい痙攣が始まった。


「や、美希ちゃん...今だめ...あああっ!」



痙攣はやがて大きな波になり、
祈里が激しく腰を波打たせる。


波打つ腰の動きに合わせて、
激しく擦りつけられる突起の刺激。


アタシも、体の奥から突き上げる
感覚に、身を任せる。



「んうう....っ!」



腰を密着させ、激しく揺れながら
声にならない声を上げる。



呼吸が、止まりそうになる。



祈里の爪が、
肩に食い込む。



一緒に、何度も跳ねた。




細かく訪れる余韻を、
抱き合いながら味わう。



汗ばんだ、ふたりの体。


唇を重ねながら、やさしく、
すみずみまで撫でる。



「美希ちゃん...ずるいよ...」


祈里が、顔じゅうに唇を
這わせながら、ささやく。


アタシも、唇で
返事をする。



口の中が、カラカラに
乾いている。


ベッドから出て、
机の上にある水を飲む。



もうひと口含み、
祈里に口づける。


ゆっくり、流し込んだ水を
祈里が、喉を鳴らして飲み込む。



「...おいしい...」



祈里の腕が、
首に巻きつく。


引き寄せられるまま、また
ベッドに倒れ込む。



アタシにだけ見せる、


アタシだけの祈里。



ママが帰ってくるまで、
たくさん見せて。
最終更新:2013年02月16日 17:22