「I Miss You」/◆BVjx9JFTno




日曜日の、昼下がり。


いつもは、わたしか
美希ちゃんの部屋。


時々は、外で
デートするけど。


お茶を飲んだり、
おしゃべりしたり。


お互いに、もたれかかったり。


でも、時々、どうしようもなく
お互いが欲しくなることがある。




小さい頃から、
ずっと一緒。


引っ込み思案なわたしを
いつも引っ張ってくれた。



あこがれが、いつから恋心に
変わったのか、忘れた。



ラビリンスとの闘いが終わり、
四つ葉町に笑顔が戻った後、
思い切って、告白した。



半分、あきらめていた。


でも、今までのわたしから
一歩だけ、踏み出すことが出来る。



そう思っていた。



女同士なんて。変でしょ。


でも...



続けようとした、わたしの唇が
美希ちゃんの唇で、塞がれた。


ぎゅっと、抱きしめられた。


それが、美希ちゃんの答え。




美希ちゃんで満たされたいときは、
会う前から、胸がドキドキしてる。


美希ちゃんは、心なしか
赤みのさした、ほおになる。



今日も、そう。



見つめ合う。


同じ気持ち。



体に、灯がともる。



部屋の鍵を閉める。


カーテンを閉める。


リボンも、カチューシャも、外す。


生まれたままの姿で、
ベッドにもぐり込む。




しばらく、見つめ合いながら
お互いの髪と、顔に触れる。


触れている部分が、だんだん
熱を帯びる。



瞳がうるむ。


せつない表情。



かすかに開いた唇から、
吐息が漏れる。



吐息を飲み込むように、
唇を重ねる。



やさしく絡む、舌の感触が
理性を崩していく。




美希ちゃんの手の中で、
わたしの胸がはずむ。


胸を反らせ、美希ちゃんの手に
押しつける。


手のひらに当たる感触に気づき、
美希ちゃんがクスッと笑う。



美希ちゃんの唇が、
わたしの乳首に触れる。


体に電流が流れ、
思わず甲高い声をあげた。



わたしも、美希ちゃんの
乳首の上で、円を描く。


美希ちゃんの体が、
ぴくんと震える。



上気した肌が擦れ合い、
布団の中が、熱気で満たされる。




お互いの泉に触れ、
蜜に指を浸す。



絶え間なく、
あふれてくる感触。



吐息と、艶の混ざった声が
交錯する。



声を塞ぐように、
唇を押しつけあう。



同時に、指を入れる。


3回、いっしょに震えた。



わたしの中に、
美希ちゃんがいる。


美希ちゃんの中に、
わたしがいる。



今、ふたりは、
ひとつ。



満たされ、
高まっていく。




押しつけた唇のすき間から
漏れる、吐息と声。


触れあい、擦れ合う
ふたりの胸。


絡みあう足。



指が、締めつけられる。


指を、締めつける。



細かい震えが、切れ目無く続き
大きな波のような、痙攣に変わる。



舌を噛みそうになって、
思わず唇を離した。



一瞬だけ、ふたりの声が
部屋に響いた。




余韻が、心地良く
ふたりを包む。


いつの間にか汗まみれになった
肌を、ぴったりと密着させる。



お互いの顔を拭い、
おでこを合わせる。


見つめ合い、
同時に微笑む。



目を閉じる。



愛おしさに包まれて、
やがて訪れる眠気。



ラブちゃんにも、せつなちゃんにも
見せない、美希ちゃんの表情。



わたしだけの、美希ちゃん。


美希ちゃんだけの、わたし。



夕方まで、もう少し
このままで。
最終更新:2013年02月16日 17:21