「ひめはじめ」/黒ブキ◆lg0Ts41PPY R18




「タッハぁ~!すごい人だったねぇ!」



時刻は午前1時をとっくに過ぎた。
それなのに町も家の中も明かりとざわめきに溢れている。
「大晦日」から「元旦」に切り替わる瞬間。一年が新しく生まれ変わる。
家族で「初詣」に行く道すがら、お父さんが教えてくれた。
夜中にみんなでお出掛けなんて初めて。
私もラブもお母さんに「風邪引かないように!」とマフラーやら
ストールやらでぐるぐる巻きにされた。
神社に着くと驚くほどの人人人!
「これも日本の伝統美!!」と、ラブが鼻を膨らませて威張っていた。




「ふぅ!やっと落ち着いたねぇ。」
ラブはモコモコした防寒着を脱いで、フリースとミニスカートで
私の部屋でくつろいでいる。
クリスマスもそうだったけど、「お正月」と言うのもまた特別な行事らしい。
ラブ曰く、何でも頭に「初」か、語尾に「始め」を付けるとお正月っぽい言葉になる。
現に昔からたくさんの言葉があるらしい、「初日の出」「初笑い」「書き初め」…
まだあったはずだけど。




「せーつなぁ!」
ちょいちょい、とラブが手招きして自分の隣に来るように促す。




「あっ!コラ…っ!」
途端に首筋に顔を埋め、セーターの中に手を突っ込んでくる。



「んっ、もう……!お母さん達、まだ起きてるのよ…?」
「んー?ハイハイ、だから声出さないでねー……」
「あっ…、だから!そうじゃなくて……」




パチンとフロントホックのブラが外される。
最近、やっと気が付いた。ラブは下着を買う時やたらこのタイプを薦める。
後ろに手を回すより便利だから、と言っているが……



(絶対、このためよね……)



「……ーっひぁ!」
まだ冷たさの残る指で乳首を摘まみ上げられ、せつなはビクッと
体を跳ねさせる。
指の冷たさと反比例するように、体はどんどん火照っていく。
尖り立った乳首を弾かれ続けると、足の間がむずむずしてくる。




「ひめはじめ、ひめはじめ……」
ラブは耳たぶを甘く噛みながら、謎の呪文を呟く。




「……んっ!…え、何?」



「あのねぇ、年が明けてからの初エッチ。『ひめはじめ』って言うの。」
だから、コレもお正月行事の一つなんだってば。
ラブはそう言いながら、セーターを捲り上げる。
乳首に吸い付き、熱い舌を絡ませる。




「あっ…ん!またそんな、適当な事……」
「……ホントだってばぁ…。何なら後で調べてみてよ…。」
ラブが力の抜けたせつなから素早く下着を脱がせた。
膝を開かせながら、内腿に指を滑らせる。
ここまで来ると口では抵抗しても、もうせつなは逆らうのを諦めている。




「ね……、ホントに、ダメ。お母さん達が…んんっ、んっ…!」
「うん、そんなに時間掛けないから…、一緒に…。ね?」
一緒に、イッちゃおうか……?




ラブはせつなの手を自分のスカートの中に導く。
ひんやりとした太ももを辿り、対照的に熱をたぎらせた秘部に指先が触れる。




(ラブと……一緒に…)




せつなもラブの下着を引き下ろし、フリースの中に手をもぐり込ませる。
小ぶりだが弾力のある乳房を揉みしだき、下は厚い粘膜に指を
飲み込ませていった。




「はふっ!ーーっン、ふぅ…んっ!」
ラブは嬌声をせつなの乳首に強く吸い付く事で抑える。
乳房に顔を押し付け、歯を立てながら先端を舌先でつつく。
指にまとわり付く秘肉を引き剥がしながら、乱暴なほと強く中を掻き回した。



せつなが歯を食いしばり、仰け反る。
(あぁっ…、ダメ、このままじゃ…!)
込み上げる快感に、胸を喘がせながらやっとの思いで口を開く。



「ーーラブっ、…キス、して……!このままじゃ…っ!」
声を抑えるなんて無理。お願いだから、口を塞いで。




情欲に潤みきったラブの瞳と視線がぶつかる。
噛み付くように唇にしゃぶりつき、舌を吸い合う。
唾液に濡れた乳首がすうすうする。ラブがそれを指に絡めるように
大きく乳房を捏ね回していった。
せつなもお返し、とばかりにラブの乳首をつねり上げる。
ギリギリ、 我慢できるくらいの強さに。
ほんの少し、快感が上回るくらいの力加減で。




「はあっ…はぁっ……んぅぅ…、ふっ…ぅ…ん…」
塞ぎ合った唇の間から漏れる吐息が抱いた、隠しきれない快楽。
淫らに濡れた音と興奮した息遣いが、しんとした部屋に響き渡る。
外は雪がちらつくほど寒いのに、額の生え際にしっとりと汗が浮かぶ。
気持ちいい…、止められない。
早く逝きたい、でも、この時が永遠に続いて欲しい。



(もう、そろそろイカなきゃ……)
ラブが合図のように、せつなの膨れた陰核を弾く。
せつなも震えながら、器用にくるりとラブの突起の包皮をめくる。
お互いの一番気持ちいいところを容赦なく責め立てる。
ラブは優しく表面を磨きあげるように。
せつなは軽く摘まんでしごくように。
体が細かく痙攣し、中が小刻みに強く収縮を始める。



(あぁっーー!もうっ、……!!)
(もう少し、もう少しだけーーっ!!)




「あふっ!……っくぅーーっっ!!」
せつなが大きく痙攣し、白い喉を反らせた。
ラブはせつなの胸に顔を擦り付け、叫ぶのを堪える。
二人は抱き締め合いながら、爆発し、駆け巡る快感に酔いしれた。




下着を脱ぎ、胸元をはだけた睦み合う為に最低限に乱した衣服。
それが却って羞恥と興奮を刺激し、我を忘れて乱れてしまった。
上気した頬と潤んだ瞳のまま、二人は熱っぽい額を寄せる。




「………何だか、恥ずかしい。」
「うん……、あたしも。」
軽く唇をついばみ合いながら、クスクスと照れ笑いが漏れた。
せつながぐったりと横たわる。
無防備に緩んだ膝、まだとろりと濡れた瞳。
うっとりと情事の余韻を味わうしどけない姿に、ラブの中に
愛しさが込み上げる。





「あの……、ラブ…。」


「ん?なぁに?」



少し汗ばんだ前髪を撫で付けながら、額から輪郭をなぞるように
キスを落としていく。




「今年も、よろしくお願いします……。」
はにかんだ、せつなの微笑み。覚えたての台詞を初めて使ってみる。
使い方、間違ってないかしら?




「こちらこそ!」
そう、ラブは力いっぱいせつなを抱き締める。
最終更新:2013年02月12日 20:58