「彼女はそれを我慢できない」/黒ブキ◆lg0Ts41PPY R18




「ふわぁ~……」
「ラブ…、口開きっぱなしよ。」
「スッゴイよねぇ…。」



ポカンと口を開けたままフラフラと蛇行するラブに、
せつなは溜め息を付いて着いて行く。
他の皆はどこへ行ったんだろう?



ここは御子柴邸。しかしながら、どこに迷い込んだのか分からない。
今日のラブ達は社会見学の一環でクラスごと御子柴邸の見学に来ているのだ。
社会見学、と行っても大袈裟なモノではない。
各クラス毎、自由に工場やら公共施設やらを見学し、レポートを提出する事に
なっているのだが、ラブのクラスは満場一致でクラスの一員である
御子柴グループ御曹司、健人の家を見せてもらう事に決まった。
財閥の私邸、なんて親しい友人でもない一般人は見る機会なんてない。
さほど親しくないクラスメイトでは興味があっても、
遊びに行かせてくれとも言いにくい。
そこで、折角の機会だから、と言うことになったのだ。
御子柴家も心得たもので、こう言った申し出は珍しくもないらしい。
一般客用に見学ルートが設定してあるらしく、家族のプライベートルーム
を外して自由に歩き回れるツアーがあるそうだ。



で、前フリが長くなったがラブとせつなである。
プリキュアとして施設を利用 させて貰った事はあるが、
上の御屋敷は初めてだ。
おのぼりさん宜しく、あちこち覗き回っている内に見事に皆とはぐれてしまった。


明らかに見学ルートから外れているらしい。
どうやらスタッフの働く裏方に回ってしまったらしく、ここは洗濯室に
なっているのか。
巨大なコインランドリーのように沢山の洗濯機や乾燥機が回っている。



「ねぇ、ラブ。そろそろ戻りましょ。みんな心配してるかも知れないわ。」
「んー、そうだねぇ。お?ここはなんだろ?」



ラブはせつなの言葉を右から左へ聞き流し、あちこちの扉を開けては覗いている。
はぁ、とせつなは再び溜め息を付く。
どうせ、いざとなればアカルンで戻ればいいのだが、どうにも落ち着かない。
見学ツアーと言えど、ルートから外れた場所を勝手にうろついて良いものか。



「ねぇ、見付かったら叱られない?ここ、使用人さん達しか
入れないんじゃないの?」



そう言ってるうちに、ザワザワと複数の人がやって来る気配がした。



「へっ?マジで?」
「ちょ、ちょっと!ラブ!!」



ラブは開けて覗き込んでいた扉の内側へせつなを押し込み、
自分も体を捩じ込んで後ろ手に扉を閉めた。



「な、何?」
「え?だって、叱られるって。」
「だからって隠れなくてもいいでしょ!謝って戻れば良いだけじゃない。」
「……そっか…。それもそうだね。」



もう扉のすぐ向こうまで人が来ているのが感じられる。



「……今さら、こんなとこから出ていったら、変だよ…ね?」
「……そうね……。」



ラブが咄嗟に潜り込んだのは、リネン類が山積みになった棚。
と、言ってもちょっとした部屋くらいの広さに、みっしりと毛布やら
シーツやらが重ねて積み上げてある。
ラブとせつなはその隙間に倒れ込むように、重なって挟まっていた。



せつなはラブに押された時に体勢を崩してしまい、毛布の山に
もたれるように斜めになっている。
完全に足が浮いてしまい、しかもラブがのし掛かっているものだから
身動きが取れない。
ラブはと言うと後ろ手に扉を閉めたは良いが、勢い余って
突っ込んだものだから上に積んである毛布が雪崩を起こし、結構な重みに
潰されていた。
これまた不安定な姿勢で固まって身動き出来ない。



「……どうするのよ?」
「ミナサン出ていったら、そっと抜け出そ……?」
「…そうしましょう………。」



(しかし、この体勢は………。)



少し冷静になったラブは自分達の体のポジションに少しばかり焦った。



思いっきりせつなの胸に顔を埋めていた。
それだけではない、右手はせつなの足の間に。と言うか、はっきり言って
股間を鷲掴みにしていた。
しかも倒れた拍子にスカートが捲れ上がってしまったらしく、
直接下着の上に。



(……ちょっと…これは……)



せつなの胸はポヨンと弾力に富み、クッション性抜群だ。
手の平に当たるアソコもプニプニと柔らかく、とても触り心地が良い。
しかしさすがにこの状況で感触を楽しんでいては、せつなに怒られるだろう。
何とか姿勢を変えようと試みるが、毛布の重みと不安定な姿勢で力が上手く入らない。
しかも外では何か作業が始まったのか、なかなか人の立ち去る気配がない。



どうしたものか、ともぞもぞ動きながら思案していると、
せつなの困ったような囁きが聞こえた。



「……ラブ…、あんまり動かないで……」



その、密着しているラブにさえやっと聞こえる小さな囁きには、
ラブにしか分からない微かな甘さが混じっていて……


ラブはわざとらしく、胸に顔を擦り付け、右手を揉み込む様に指を動かす。



「……ゃ…!」



思った通りの反応に、ラブの胸に少し意地悪な悪戯心が芽生えた。
シャツの上から乳房を甘噛みしてみる。
せつなは胸を上下させ、咎めるように体を捩る。
ラブはそんなせつなを無視してボタンに歯を引っ掛ける。
引っ張ると簡単に外れた。でも一番上は届かない。
真ん中の二つを外して左右に押し広げると、淡いピンクのブラに包まれた
深い谷間が現れる。



「ラブ……!」
「シッ…!外に聞こえるよ。」



ブラの縁をくわえ、グイっと下ろす。
ぷるん、と甘噛みされて既に尖って硬くなった桃色の先端が飛び出す。



「ーーーーっっ!」



ラブは躊躇う事なく大きく口を開けてむしゃぶりついた。
唇でマシュマロのように柔らかな乳房の感触を楽しみ、
舌全体を使ってぷつんと固い果実のような乳首の食感を味わう。



ぶるっ…とせつなの肌が粟立つ。



(なんで、こんなに美味しいんだろ……?)
何の味も付いてないはずななのに。
ラブは甘い果実の種をしゃぶるように、丹念に乳首を舌の上で転がす。
絡め取って吸い、尖らせた舌で乳輪に押し込み、また勃ち上がって来た所を
弾いて遊ぶ。
せつなが息を詰め、声を噛み殺しているのを感じながら、
熱の籠った秘部を指でなぞる。
ふにふにと柔らかな割れ目の間に、下着の上からでも分かる程
硬くしこった突起を見付けた。
そこを爪で引っ掻いてやると、ピクっピクっと内腿が震えた。
せつなはイヤイヤをするように激しく頭を振って、足を閉じようとする。
しかし膝の間にラブの腿が交差するように挟まっているため、
どうやってもラブの愛撫から逃げることは叶わない。



(止まらないや……。)



下着の横から指を潜り込ませると、そこはもう熱く潤んだぬかるみになっていた。
期待通りの感触に嬉しくなったラブは思わず「ふふっ…」 っと小さく笑みをこぼす。
せつなの体温が上昇し、甘く香る体臭がより濃密に鼻をくすぐる。



相変わらず扉一枚隔てた場所に人の気配を感じながらも、
ラブはせつなの体に酔い痴れていった。
不自由な体勢で繰り返す愛撫は、どこか単調でもどかしい。
もっとせつなを狂わせたいのに。
指はせつなの中を掻き回せる程には届かない。
仕方ないので、滲み出た蜜を花弁の一枚一枚に塗り付けるように
なぞりあげる。



「…ふっ……ぅん…ん…」



堪えられない切ない吐息を洩らしながら、せつなは腰を揺らめかせる。
羞恥に肌を朱に染めながらも、体はより深い快楽を求めているのだろう。
艶かしく身を捩るせつなの顔が見られないのが、心底残念だった。



(せつな……、イカせてあげるからね…。)



ラブはせつなの一番敏感な部分を、たっぷりと蜜を絡めた指で挟み込んだ。



(ダメ!ダメ!…ラブ、ダメよ…!)



下着の中に忍び込んでくるラブの指を感じながら、せつなは必死に首を振る。
胸の先端を執拗に苛められ、下着の上から軽く秘部を擦られる。
それだけで、昇りつめてしまいそうなほど昂ってしまっている。
どうして体はこんなにも快感に従順なんだろう。
抵抗する間も無く、愛撫に屈服している。
そんな自分の体がいっそ呪わしいほどだった。



扉の外では機械の回るモーター音、複数の人の話し声と動き回る気配。
狭い扉の内側は二人分の荒い息遣いと、せつなの体から響く淫らに濡れた水音。
それらが一つの大きなうねりとなり、せつなは耳を犯されてるような
気分になる。



こんな場所で。こんな姿で。
逃げ出したいくらい恥ずかしいのに。



ラブの指先がせつなの形を確めるように、ぬるりと隅々まで這い回る。
いくら足を閉じようとしても、首を振り懇願しても。
胸元でラブが小さく笑い声を洩らすのが聞こえ、せつなは身を震わせる。
せつなの体を知り尽くしたラブには、いくら抵抗しても、
それが形ばかりのものだと言うことはお見通しだろう。


せつなの一番弱い所に、ラブの濡れた指が押し潰すように当てがわれた。
そこは既にズキズキと熱を持って疼いている。
いつものラブはその敏感な突起には、なかなか触れてくれない。
せつなが泣いてねだるまで焦らされる事すらある。
しかし、今は一番感じる部分をピンポイントで攻めてくる。
せつなの胎内で暴れ狂う熱を少しでも早く解き放つ為に。


「……ンぅ……ふっ……ふぅん……ーーっ!」


痛いほどに屹立した突起が左右に揺さぶられるように弾かれた。
指先で柔皮を捲られ、顔を出した肉粒を優しく撫でられる。
もう呼吸すら苦しくなり、声を殺すのも限界が近い。



ゾクッゾクッと足の間で弾ける愉悦が塊となって腰を押し上げる。
快感が嬌声となって解放を求め、喉元にせりあがってくる。
せつなは血の滲むほど唇を噛み締め、辛うじて歯の間で歓喜を押し留めていた。


(ラブっ…!もうダメ…、早く!)



これ以上、堪えられない。あられもなく、泣き叫んでしまう。
もう外の気配も異常な状況もせつなの中から消し飛んでしまった。
高みに昇りつめる事しか考えられない。
せつなはラブの背中に爪を立て、シャツを引き裂かんばかりに握り締めた。


ラブはせつなに応えるように、ゆるゆると弄くり回していた突起を強く摘まみ、
しごくように擦り上げた。


「ーーーっくぅっ!……くっ…ぁんんっ!」



待ち焦がれた激しい刺激に、せつなの全身が甘く戦慄く。
瞼の裏が赤く染まり、頭に白い光が弾け飛んだ。
せつなはラブの体を跳ね返すほどに、背を仰け反らせ、強く短い痙攣を
繰り返す。




ラブはせつなの心臓に耳を当てる。マラソンの後のように心拍数が上がっている。
送り出される血が、自分にも流れ込んで来るような錯覚に襲われる。


どのくらい、そうしていただろう。
いつの間にか人の気配は消え去り、ゴトゴトと機械の音だけが聞こえていた。



「はぁあ~…!」
ラブは扉を開け、崩れた布達と共に這い出る。



「……いやぁ、参ったね…。」



恐る恐る、後ろを見る。
せつなはシャツの胸元を握り締め、キュッと腿を
閉じて横座りになり、ラブを睨み付けていた。



「…ははは、その…」



せつなの羞恥に火照った頬。情欲の余韻に濡れた瞳。
そんな顔で睨まれたって、かえってドキドキしちゃうんですが。



しかし、ここはまず謝るところだろう。



「あー……、何と言いますか、その…」
ラブはせつなの前に膝をつき、目を泳がせて詫びの言葉を探る。



「わはっ?!ちょ…?」



せつなはラブを乱暴に引き寄せると、荒々しく唇を重ねて来た。
せつなの舌が歯列を割り、逃げるラブの舌を絡めとる。



(…!せっ…せつなっ!)


思いがけないせつなの行動に、落ち着きかけていたラブの欲望が
また暴走しそうになる。
両手でせつなの胸を揉みしだこうとした瞬間…



ドンッ!と思い切り突き飛ばされて尻餅を付いた。



「???せつなぁ?」



フンッと腕を組んでラブを見下ろすせつな。



「人の体で好き放題に遊んだんだから、キスくらいしなさいよ!」
「……イヤ…、遊んだとか……」
「違うのっ!?」



いえ、スミマセン。確かに遊んでました。



「もうっ!ほら、さっさと片付けて戻るわよ。みんなきっと探してるわ。」
言うが早いか、崩れた毛布の山を畳み直しに掛かった。


「何ボケッとしてるの!」
一人でやらせる気?睨まれて、慌てて手伝い始める。


(何?その切り替えの早さは…)



さっきの肉欲に溺れ、咽び泣いていた色っぽい女の子は幻だったの?
そう言いたくなるくらい、せつなはすっかり端正な優等生の顔を取り戻している。
まるで、仮面を付け替えたみたいだ。



「ほら、さっさと行くわよ。」
綺麗に棚にしまい込み、例によってアカルンを出す。
せつなの横顔を見つめながら、ラブはふと気が付く。
長い睫毛に残る湿り気。つい、と髪を手櫛で撫で付ける指先に、
仄かに香る情事の残滓。



「……何?」


「……いやぁ、せつなって色っぽいなぁって思って。」



見る見るうちにせつなの顔は、耳どころか首筋まで赤くなる。


こう言うとこは、すごく素直で可愛いんだよねぇ。



「……今夜はナシだからね…。」


「うぉ?!」


「今日の分はもう済んだでしょ。」


「イヤイヤ!今日の分とか、そう言うもんじゃ……」


「とにかく、もうしないから!」


「せつなぁ~~!!」



プイっと背中を向けて出ていくせつなに、ラブは情けない声を上げて
追い縋る。
そんなラブに見えないように、せつなはクスッと笑みをこぼす。



こんな事を言いながらも、今夜もせつなはベランダの鍵は開けておくだろう。
そして、ラブがやってくれば………
きっとせつなは最後までは拒めない。拒めるわけない。
そしてラブもその事をわかってる。


いつだって、お互いを欲しがってる。
我慢なんて出来ない。



だって、好きなんだもの。


いつだって、求め合いたい。愛し合いたい。



彼女たちは、我慢なんて最初からする気なんてないんだから。
最終更新:2013年02月12日 20:55