『London Burning』/Mitchell&Carroll




 いちか、入魂のケーキ。数日前からの準備、厳選された素材。溢れんばかりのキラキラルが、仲間達の瞳をも輝かせる。だが喜んでいたのも束の間。見知らぬ老婆がキッチンに上がり込んで来て、今しがた完成したばかりのいちかのケーキを中途半端に破壊すると、そこらにあるものを使って勝手にデコレーションをし始めた。皆が呆気にとられていると、老婆はそのケーキを頭上に掲げ外へ駆け出していき、ケーキに自分の名を冠して、道行く人に押し売り始めた。いちかは膝から崩れ落ち、そばにいたあおいとあきらが、破壊されたいちかの心がこれ以上バラバラにならないように、二人で何とか必死に押さえた。ひまりは恐怖のあまり動けない。ゆかりは怒りを押さえるあまり一歩も動けない。「いちかを頼んだよ、あおい」と言って、あきらが一歩前へ、老婆に物申す。しかし老婆は聞く耳持たず、「このわしに文句を言うつもりかえ。平和じゃないのう」と言い、血だらけの眼鏡を掛けた男と地獄へ帰っていった。