『mAiDEn VoYAgE』/Mitchell & Carroll




 男の子になりたい。
それは私の小さな頃からの夢。
 見た目は女の子らしいって言われるけど。
 でも中身は違うの。
 日に日に強くなってゆく想いは、
 彼女に出会って爆発したの。

 ――青い髪の女の子、ジュン。

 彼女を初めて見た時、体の奥がビクッって疼いて、
 何かが熱くドクドク脈打って、ムクムク起き上がってくるような気がしたの。

 でも、あると思っていたそれは、いざ見てみると……無い。無いの。無いなら――
 ――作ってしまえ。


 「――おい、エミリー!どんだけ高く飛ぶつもりだよ?」
 エミリーは、もうだいぶ上達した魔法の絨毯にジュンを乗せて、夜間飛行に繰り出していた。見せたい物がある、などと言ってまんまと呼び出して。エミリーの目は虎視眈々としていたが、まんまる眼鏡にカモフラージュされていて、おまけにレンズには満月まで映っていた。

「――ねぇ、ジュン。私のこと、どう思ってる?」
「どうって……」
「ジュンにはね、私のことを、男の子だと思って欲しいの」
「なに言ってんだ?」
「手、貸して」
 エミリーはそっとジュンの手を取り、自分の股間へと誘った。そこには女の子には無いはずの、こんもりとした膨らみがあった。
「おい、何の冗談だよ?まさかこれ、魔法――」
「そう、魔法。魔法で、おちんちん生やしちゃったの。ずっと欲しかったの、これが。そして、ジュンのことも」

 こんなに高い所を飛んでいては、ここで起こっている事は誰からも見えない。魔法の絨毯の操縦も、エミリーの手次第。

 星空の中央に鎮座する満月。それを遮って近付く、エミリーの顔。触れた唇はやわらかく、甘く――だがすぐさま、ジュンはエミリーの肩を退(の)ける。
「ア、アタイは女同士でこんなことする趣味はねぇぞ!」
「嘘」
「嘘なもんか」
「それに……言ったでしょ?私は男の子だって」
 もう一度、唇で唇を塞ぐ。
「――そしてジュンは、女の子……」
 優しくボタンを外してやると、そこには普段のジュンのようにツンと尖った物があった。それはすっぽりとエミリーの口に収まる。
「ふあっ……」
 いつもより高い声に、ジュン自身、体中を染めて恥じらってしまう。
「舐めやすいね、ジュンのおっぱい……こっちもしてあげる」
 もう片方の突起も掬い取られる。エミリーの唾液で濡れたそれは、微かな夜風を受けて妙に涼しい。ジュンの嫌がるような、求めるような動きに応じて、エミリーの顔も、花の蜜を吸う蝶の如く左右の乳首を行き来する。
「だ、だめだ、もう、アタイは……」
「ほんとだね、こんなに敏感だとは思わなかった」
「欲しくなっちまったんだ……」
「何を?」
「エミリーの……」
「私の……何?」
「………」
 エミリーはスカートを捲り上げて、ゆっくりと下着を下ろし、ジュンの目の前で弾けるそれを見せてやった。先っぽがジュンの瞳に負けないくらい潤んでいる。そのとっておきに触れさせてやると、途端にジュンは素直になった。
「欲しい……エミリーのこれ……エミリーの……おちんちん、アタイの中に……」
 ジュンの下着も、エミリーは優しく剥ぎ取ってやる。お互いの大事なものを口付けさせる。エミリーのそれは、顔をぬっぽりと埋(うず)めて、次第に奥へと進んでいく。
「エミリー……アタイ、本当はずっと、こうなりたいって思ってた……」
「私もよ、ジュン」
「ずっと、エミリーのが欲しいって、初めて会った時から、ずっと……」
「知ってる。私もずっと、ジュンの女の子に部分に気付いてたんだからね?」
 優しいキスをしてあげれば、もう普段の勇ましいジュンはどこへやら―――エミリーの逞しいそれをひたすらに欲しがる。自ら腰を押し付けてくる。やがて根元まで受け入れて――
「ジュン、わたし、出ちゃうかも……」
「アタイの中に……エミリーの……」
「赤ちゃん出来ちゃう」
「……赤ちゃん欲しい!エミリーとアタイの……」
「私の赤ちゃん、産んでくれる?」
「うん……」
「いっぱいあげる!わたしの……!!」
「ほ、欲しい!エミリーの、欲しいぃぃ~~!!」


 大きな願いも、小さな願いも叶った夜。二人は抱き合ったまま、夜空に浮かんでいた。ちょんちょんと風に肩を叩かれた気がして、エミリーは名残惜しそうに、魔法でこしらえたそれをゆっくり引き抜いた。
「――赤ちゃんが出来たら、ジュン、おっぱいを飲ませてあげなきゃね」
 気のせいかジュンの乳房は、さっきよりも少し膨らんだように見える。エミリーは予行演習をするように、それをチュパチュパと吸い始めた。
「あんっ……飲ませる……赤ちゃんに、おっぱい……」
「私にも、飲ませてくれる?」
「……ふぅぅっ!」



 おわり
最終更新:2017年03月07日 23:32