『四葉邸へようこそ♡』/Mitchell & Carroll




格付けⅠの約束、今ここに――


『四葉邸へようこそ♡』


司会者「デケェ~門だな、しかし……格子の隙間ありすぎて、余裕で侵入できんじゃん、ほら」
ドーベルマンs「「「バウバウバウ!!」」」
司会者「うわっ!!」
インターホン「今、お開けいたしますわね」
門「(ゴゴゴ……)」

司会者「はー、ビックリした」
ありす「泥棒さんにしては、派手な格好をしてらっしゃると思ったもので……」
司会者「玄関まで遠いなー。庭も超広いし」
ありす「キャッチボールでもなさいますか?」
司会者「いえ、結構です」
セバスチャン「ようこそ御越しいただきました、司会者様」
ありす「四葉邸へようこそ♡」

司会者「なんか、入った途端、見覚えのある名画があちこちに……」
ありす「○○○○も△△△△も、我が四葉家が所有いたしております」
司会者「……!!」
ありす「お食事まで少し時間がありますので、運動などいかがでしょう?地下にトレーニングジムがございます」
司会者「じゃあ、軽く汗流そうかな」

~移動中~

司会者「わー、スゲェ!最新のジムじゃん!」
ありす「このランニングマシンは、使用者のスピードに合わせて自動で速度が変わるのですよ」
司会者「どれどれ(ドタドタ)」
ありす「あの……これはランニングマシンでして、“もも上げマシン”ではないのですが……」
司会者「――え?何か言った?」
ありす「いえ……」
セバスチャン「司会者様、お風呂の用意が出来てございます」

司会者「風呂も広いなー。浴槽にバラが浮いてるし。そうだ。シャンプーのボトルの底、チェックさせて下さい――うん、ヌルヌルしてないや。当たり前か」
セバスチャン「お背中など、ご自分では洗いにくい所もおありでしょうから、専門の方をお呼びいたしました」
司会者「専門の方?」
(ナレーション「何やらバスタオルを巻いた女性たちが入ってきたようだが……?」)
司会者「え!?」
セバスチャン「では、ごゆるりと」
司会者「え?行っちゃうの!?セバスチャンさん!!ちょっと!!!!」

司会者「ふぅ~」
ありす「お湯加減の方はいかがでしたか?」
司会者「ええ、最高でした」
セバスチャン「………」
司会者「何も無かったですよ。あったらバカでしょ、人ん家で」

ありす「――それでは、司会者様の洋々たる前途、番組の益々のご発展を願って……」
司会者「カンパ~イ♡……うまっ!!」
セバスチャン「1973年産どんぺりにょん、喜んでいただけましたでしょうか」
司会者「マジで!?」
セバスチャン「そしてこちら、イベリコ豚のホニャララでございます」
司会者「うん、うまい!さすが」
セバスチャン「さらに、キャビアの○○○○、フォアグラの△△△△、トリュフの□□□□でございます」
司会者「やべぇ、王様になった気分……俺、今日死ぬのかな?」
ありす「もしお亡くなりになられましたら、四葉家で盛大に弔いますから、安心して――」
司会者「いや、冗談で言ってるんですよ。目が笑ってませんよ、あなた」
(ナレーション「何だかんだ言ってご馳走を堪能し、上機嫌の司会者)」)
司会者「食べたら眠くなってきた……」
ありす「ではそろそろ、おやすみの準備に入りましょうか」

~移動中~

司会者「うわっ!天蓋付きのベッドだ!」
(ナレーション「年甲斐も無くハシャぐ司会者」)
ありす「おやすみになる前に、トランプでもなされます?」
司会者「やるやる!」
(ナレーション「接待トランプで、負けてあげるありす御嬢様」)
司会者「やったー、俺の勝ち!」
ありす「まあ、お強いですのね♡」
ランス「アリスはやさしいでランス~」
司会者「――そろそろ寝よっかな」
(ナレーション「すると何やら楽器を持った人達が部屋に入ってきたようだが……?」)
ありす「バッハのゴルドベルグ変奏曲です。これはバッハが、ゴルドベルグ伯爵がよく眠れるようにと作った曲なのですよ」
司会者「マジで?ここまでしてくれんのか(ジ~ン)」
ありす「では、おやすみなさいませ」
司会者「うん、おやすみ……(あのぬいぐるみ、喋ってたような気がするけど……いいや、寝よ)」

~翌朝~
司会者「――ああ、良い目覚めだ。昨日あれだけ食べたり飲んだりしたのに、全然響いてないや」
セバスチャン「おはようございます。朝食の用意が出来ておりますので、食堂の方へどうぞ」

セバスチャン「司会者様は朝食はあまり摂らないとお聞きしましたので、軽めの物をご用意しました」
司会者「良~い彩りのサラダだ」
(ナレーション「食べながら泣き出す司会者」)
司会者「いや……もうすぐお別れしなくちゃなんないのかと思うとね……」
ありす「またいつでもいらして下さいね。今度は門を潜ったりせずに」
司会者「はーい」



END