『隣り合わせのパズルのピース』/夏希◆JIBDaXNP.g
初めて会った時に感じたの。
ああ、あたしはこの娘を好きになるなって。
占いをしてくれた時は無表情だったね。
キレイだな、笑った顔も見たいなって思ったんだ。
街で再会した時は、凄く嬉しくて抱きついちゃった。
なんでこんなに嬉しいのか、あたし自身よくわからない。
綺麗だから?
そうかもしれない。
でも、それなら美希たんも負けてないよね。
吸い込まれるんだ。どこか寂しそうな瞳に。
でもね、ほんとだよ。絶対同情じゃないよ。
一緒にいるだけでね、あたしが幸せなんだ。
儚い笑みが好きだけど寂しい。
柔らかい声が心地よくて愛しい。
可愛らしい仕草が、見てるだけで微笑ましい。
上品な佇まいが、あたしの心をそわそわさせる。
あたしはせつなが好き。
それが、どんな好きなのかよくわからないよ。
ただ、ずっと、ずっと一緒に居たいって思ったんだ。
「それでね、由美ったら可笑しいんだよ」
あたしの話を(し~)と指を立ててせつなが遮った。
「シフォンが眠ったわ。今夜ももう遅いし、私たちも寝ましょう」
食事が済んで、歯を磨いて、お風呂に入って、勉強を見てもらって。
その後はずっと眠くなるまでお話するんだ。
一緒に起きて、ご飯も学校も、ダンスもプリキュアも何もかも一緒。
離れてる時間なんてほとんど無いくらい。
飽きないのかって?
とんでもないよ、全然足りないんだ。
せつなはね、不思議なんだよ。
一緒に居ることが凄く自然で、居心地がいいの。
隣り合わせのパズルのピースみたいにね。
あたしにぴったり合って安心できるんだ。
あたしだって一人になりたい時はあるよ。
でも、そんな時こそせつなには側にいて欲しい。
せつなが居ない方がいいなんて思うこと。
それだけは想像することも出来ないよ。
「おやすみなさい。ラブ」
せつなが部屋に戻った。少し寂しい。
でも明日にはまた会える。そんな毎日があたしの宝物。
「おやすみ、せつな」
明日も一緒に、幸せゲットしようね。
最終更新:2016年09月24日 19:18