響とアコのお泊り会!/ゾンリー




「いや急に言われてもなぁ…アコがなぁ…エレンもハミィとメイジャーランドに行くと言っておったし…」
「私がどうしたの?おじいちゃん」
急に出てきた私_調辺アコ_の言葉に反応せずにはいられなかった。
ここは調べの館。今日が終業式で明日から夏休みの私達は久しぶりに一緒に帰宅することになっていた。その途中で立ち寄ったのが調べの館だった。
「え?あ、あぁおかえり。皆もよくきたな。」
「「「「おじゃましまーす!」」」」
「で、どうしたの?」
「いやぁ、急に明日外泊することになってのぉ。場所が場所だけにアコを連れてく訳にも行かぬし一人にもできぬし…」

「それなら私のところに来る?」

そう言ったのは響だった。私の肩に手を置くと続けて話す。
「ウチも両親が明日明後日いないんだよね。いいでしょ?音吉さん」
「おお!それはありがたい!アコ、失礼の無いようにな。」
「なんか私抜きで話が進んでるけど…つまり明日響の家にお泊りって事ね。」
「んふふ~楽しみ~!」

~翌日~

「おじゃましますー。」
ドアをくぐると香りが他人の家だということを自覚させる。
ドタバタと足音がしたと思ったらすぐ目の前に響が出てきた。
「いらっしゃい!待ってたよ~さ、上がって上がって!」
背中を押されて無理矢理中に入れさせられる。
「なんでそんなにテンション高いのよ…」
あきれ顔で聞くと「だって泊まりに来るなんて久しぶりだし!」と即答された。
案内された部屋に荷物を置いてとりあえずリビングへと向かう。
「ささ、何して遊ぼっか?」
一通り響とじゃれ合ったあと、ふと思い出したように響が言った。
「あ、そろそろ買い物行かなきゃね~。何食べたい?」
「別に何でも…」
「んーじゃあカレーかな?」

ー近所のスーパーにてー

「人参、お肉、ジャガ芋、カレールー…あと何だっけ」
私は手元のメモに目を落とす。
「あと玉ねぎね。」
カートに玉ねぎを入れる響。そんな彼女の目を奪った…つもりは無かったがついついお菓子コーナーをチラ見してしまった。
そしてそんな私を響は見逃すつもりはなさそうで…
「え、何?お菓子買って欲しいの?も~しょうがないなぁ~」
「ちょ…違うって…!」
背中を押されて問答無用でお菓子コーナーへと。
なんとか(?)お菓子の購入を回避して会計を済ませる。
帰り道はパ○コを二人で分けてちゅーちゅー吸いながら帰宅。

ーもう一回響宅ー
エプロンをつけて私達は台所に立っている。
響はカレールーのパッケージの裏を見てうんうん唸っている。
私はちょうど野菜やお肉やらを切り終わったところ。
「とりあえずお肉を炒めればいいみたい?」
(疑問形…)
足場の小さい台からピョンと飛び降りると戸棚から手頃な鍋を取りだしコンロに置く。
「油~油~」
私がサラダ油を取り出すのを響は制止する。
「お肉から直接油が出るから油敷かなくていいの!」
「えっ!そうんなんだ…」
しぶしぶ元の場所へと戻す。____

「「でーきたっ!」」
鍋から見える茶色のトロトロの液体。湯気が良い香りを運んで来る。
「「いただきまーす!」」
響は中辛、私は甘口のカレーを口の中へと運ぶ。少し味付けを失敗してしまったけど、自分達で作ったカレーはいつもより美味しく感じた。

その後は後片付けや何やらをしていると時計は8:00を指していた。
そろそろお風呂に入らなきゃ…と思っていると響から衝撃的な一言が。
「もう8時か…せっかくだし、一緒にお風呂入ろうか!」
「うっ…ええええええええ!?」
「何か問題でもあんの~?」
「いや別に…無い…け、ど…」
最後は尻すぼみになってしまった。
結局一緒に入る事になり、脱衣所で服を脱ぐ。
これまた響の提案で背中を洗いっこして湯舟に浸かる。
ゆっくりしようと思い息をゆっくりと吐く。
…まあ響はそうさせるつもりは無いようで。
「んでー?奏太とはどんな感じなの~?うりうり~」
「ちょ…っいきなりなによ!?ふ、普通の友達よ!」
いきなり顔を近づけられる。残念ながら逃げ場は無い。
「ふーん…それじゃあアコ自身はどう思ってるの?」
「それは…その…」
「あぁー!赤くなっちゃってるー!」
「の、のぼせただけだし!もう上がるもん!」
湯舟から出てバスタオルで身体を拭く。肩をすくめながらも響も詮を抜いて上がる。

パジャマに着替えた私達は並んでテレビの前に座っていた。
画面に映るのは暗い廃校。小さな松明を持って歩く一人称のカメラ。
私は膝を抱えて顔を半分うずくめてテレビを睨んでいる。
何となくで見たホラー番組だが、ものすごく…怖い。
「ひっ」
いきなり画面いっぱいに出てきた気色悪い顔に思わず声を上げてしまう。
「エ、エレンがいたら凄い事になりそうね…」と響。
「そ、そうね…」と私。
上の空で会話をしつつも早く終わってくれないかと願うばかり。
お互いにプライドが途中で終わる事を認めてくれないのだ。

~番組終了~

「「ふぅ…」」
《また次回》のテロップが消えると同時にため息をつく。
「ねぇ…一緒に寝ない?」そういう響の声には生気が無かった。
そしてその提案に私は
「…賛成」
と言わざるを得なかった。

ー響の寝室にてー
私と響はお互いに向かいあって一つのベッドに入っている。壁側に私、反対側に響が寝ている。
きつい位の密度が今は恐怖心を抑えてくれる。
「うぅん…」
響の腕が私の背中にまわって抱き込まれる。…まあ寝ていて気付かなかったんだけど…不思議と心地好かった気がする。

~翌朝~
「じゃあ…おじゃましました。」
「うん!またお泊り会したいね!次は皆で!」
「ホラー番組はナシで…ね。」

___これで、私のちょっとした初体験は幕を閉じたのでした。