140文字SS:魔法つかいプリキュア!【1】


1.「解けない魔法」/夏希◆JIBDaXNP.g


「午前零時の鐘で魔法は解けてしまうの」
「それでどうなったの?」
はーちゃんが絵本の続きを催促する。

「ナシマホウ界の魔法も長くは続かないのね」
とリコがつぶやいた。
みらいは首を振ってラストを読みあげる。

愛の魔法は永久に解けない。
少女と王子が結ばれたように。
みらいとリコが共に在るように。


2.『変わらないもの』/一六◆6/pMjwqUTk


わたしが大きくなったんじゃなくて、何もかもが小さくなったみたい。
モフルンは抱っこできちゃうし、みらいとリコを抱きしめることだって出来る。
でも、小さかった頃と同じものも沢山ある。
高くて眩しいお日様。お花のいい匂い。頬ずりしたモフルンの柔らかさ。
あったかくてワクワクする、みんなの声。


3.『相合傘、お買い時』/一六◆6/pMjwqUTk


「これ“ヒト”だよね。屋根の下で、四人一緒?」
「これはね」
広告の文字に、ことはが目を輝かせる。

「四人一緒、学校の帰りにやったね。あれ楽しかった~」
「さすがに今は、四人は無理よ」
「探してみよっか。みんなで使える、おっきいの!」
「そうね」
「モフ!」
「やった!」
梅雨明けまで、あと少し。


4.「伊達に何度も落ちてないし」(まほプリ23話より)/一六◆6/pMjwqUTk


「わ、わ~!」
はーちゃんの箒が迷走を始めた。リコは空中で静止し、じっと目で追う。

「滅茶苦茶に見えても、軌道の予測はある程度つくものよ。落下するのは、あっちだわ!」
言うが早いか、箒を急発進。

「リコ、凄~い!」
「ま、まあね」
みらいの素直な賞賛の声に、その後の言葉は、慌てて飲み込んだ。


5.『TONYO MOFLUMPIC』/Mitchell&Carroll


モフルン「甘い匂いがするモフ~」
みらい「はいはい」
モフルン「甘い匂いがするモフ~!」
リコ「わかったわかった」
モフルン「甘い匂いがするモフ~!!」
ことは「あとにして」
モフルン「モフルンのおしっこから甘い匂いがするモフ~!!!」
みらい・リコ・ことは「「「……エーーーッッ!?!?」」」


6.「ついて来るもの」①/一六◆6/pMjwqUTk


久しぶりの夜の散歩。三本の箒が、滑るように空を行く。

「見て見て。お月様が、ずーっとわたしたちについて来るよ」
モフルンを抱いたことはが、笑顔で空の一角を指差した。
「いや、月はね……」
リコの説明を皆まで聞かず、よぉし、と箒に座り直す。

「お月様と競争するぞ~。はー!」
「はーちゃん!!」


7.「ついて来るもの」②/一六◆6/pMjwqUTk


薄緑色の箒が夜空を切り裂く。でも黄金色の輝きは、彼女の隣から離れない。
「お月様、ずっとついて来るね~」
「速すぎモフ~」

モフルンの声に、ことはがスピードを落とした。
もう一度月の方に目をやって、思わず息を飲む。

闇に沈む田畑の向こうに、広がる豊かな水面。そして……。
「お月様が二つ!?」


8.「ついて来るもの」③/一六◆6/pMjwqUTk


丘の上の小さな展望台に降り立ち、二人並んで海を眺める。
「そっか。お月様が海に映ってるんだ」
「きれいモフ」
辺りの静けさに、二人の声も小さい。

「わたし、お月様がわたしについて来てるんだって思ってたの。でも、違ったね」
「モフ?」
「お月様の方が、わたしたちをここに連れて来てくれたんだね」


9.「ついて来るもの」④/一六◆6/pMjwqUTk


ことはの言葉に、モフルンがニッと笑う。
「大丈夫モフ。はーちゃんについて来る人は、ちゃあんといるモフ」

「あ、ここに居たんだ!はーちゃーん!」
「ちょっと、みらい。真夜中なんだから、静かに」
「みらい!リコ!」

ことはがパッと笑顔になる。空から近付く二人もまた、満月にも負けない、輝く笑顔。


10.『西風に吹かれて』/Mitchell&Carroll


校長「――うまし!」
撮影スタッフ「次、これお願いします」
校長「――うまし!!」
みらい「校長先生、大忙しだね~」
リコ「爽やか笑顔でうまし!がウケて、CMに引っ張りダコとはね」
ことは「次、コレ!」
校長「――うブハッッ!!?」
ことは「校長先生~ちゃんと食べなきゃダメですよ?納豆餃子飴」
最終更新:2017年02月04日 17:30