「Friendful party(フレンドフル・パーティ)」3




 いや、それって、ただの水鉄砲だし ――― と、ひめが心の中でツッコむ。
(…っていうか、トワって、こんな風に笑える子だったんだ)
 育ちのいい、高貴な姫君だとばかり思っていたから……。
 自分を見つめるまなざしに、クスッ、と笑って心の中で答えるトワ。
(きららのおかげで少々おてんばになってしまいましたの)
 ホープキングダムの王女が、共同戦線を提案する目配せ。ひめは即決。
「よーしっ!」
 立ち上がったひめが、湯をかき分けてレジーナへと突進。……飛びかかるも、ひょいっと身軽に避けられて、そのまま「ざっぱーん!」と派手に温泉にダイブする。
「ちょっとひめ、いきなり何するのよ!」
 レジーナが怒りかけて、ハッ、と気付く。ひめは陽動。
 水棲獣のごときなめらかな動きで迫ってきたトワが、レジーナを間合いに捉える。
「プリンセス・ホープ・ディライト・トワの名にかけて、やられっぱなしでは終われませんわ!」
 湯の下に滑り込んだ繊手のスピードは迅(はや)い。レジーナがかろうじて反応するも、ギリギリで間に合わない。
 トワの狙いは、レジーナの胸。しかし、握りしめた手の平が掴んだのは、温泉の湯のみ。
「くッ、掴める所がなさ過ぎて……」
「ウルサーーイッッ!!」
 思わず頭にきてしまったレジーナの背後で、水没していたひめが復活。
 チェックメイトだ。
 後ろからレジーナに組み付いたひめへ、トワが素早くアイコンタクト。ゴーサインを受け取ったひめが、抵抗しようとしたレジーナの裸身を撫でさすり、そのこそばゆさで彼女を無力化してしまう。
「わぁ、レジーナの肌、真っ白でスベスベやわらか~い」
「あっ…、コラ、ひめ、駄目ッ……やめなさいよっ!」

 トワとひめが一瞬顔を見合わせ、同時にレジーナに微笑みかける。

「あらあらっ。ひめ、レジーナが気持ちいいって言ってますわよ」
「確かに聞きましたですぞ!」
「バカっ、違うわよっ、コレはそういう意味の『駄目』じゃなくて ――― 」
「で、どこを触られるのが気持ちよかったんですの?」
「ミラクルドラゴングレイブで突くわよ!?」
 顔を真っ赤にして、じたばた暴れながら叫ぶレジーナ。それが可愛かったのか、ひめもトワも表情をほころばせてしまう。
「ハイハイ、あとでハニーキャンディもらってきてあげるから、おとなしくしてようね」
「では、わたくしは美味しい紅茶を淹れて差し上げますわ」
 ぎゅっ。
 トワがレジーナに柔らかな肌を押し付ける。
 レジーナに無理矢理くっつかれた時とは違い、自分から意識しての『カラダを他人の肌に重ねる』という行動。そのせいか、トワの表情にうっすらと恥ずかしさがにじんでいる。

「こ…こんな感じでいいのかな……?」
 と、ひめが背後から両腕を回りこませて、レジーナの胸をまさぐる。その指を優しく胸先へと導くトワのほっそりとした手。
「ひめ、ここですわ。なるべく、そっとさわってさしあげて」
「うん…。レジーナ、くすぐったくてガマンできなかったら言ってね」
 二人の少女のカラダに挟まれたレジーナは、「ううっ…」と顔をしかめつつも、借りてきた猫みたいにおとなしくしている。
 幼い胸のふくらみに乗せられた手の平の感触、おそるおそる動いている指先のくすぐったさ。
 ……嫌じゃない。
 トワの瑞々しい乳房をいじめていた時にはもう既に、彼女の背中に押し付けた胸先は軽くジンジンとしていた。そこにこうやって他人の指が這うのは……ドキドキする。
(やだ、ちょっと恥ずかしい)
 まだ色付きの薄い乳輪を、そぉーっ…とこする指。左右に往復する指の動きが、たまに円を描く動きに変化する。……こそばゆい。こらえようとしても、カラダは勝手に反応してしまう。特に、小さくてなめらかな突起は敏感で、ひめの指先がかすめただけで甘やかな痺れが響く。
「……っ」
 レジーナが喉の奥で、クッ…と声を押し殺した。
 怒りで赤くなっていた顔が、今は別の感情で赤い。
「……レジーナ、先っぽをつまませてね」
 耳もとに近づけられたひめの口がささやいてきた。
 可憐なサイズの胸のふくらみを一度愛でるように撫でまわしてから、チカラを極力抜いた指先で、あどけない乳頭を優しく捕らえる。触れているだけ ――― そう言い換えても間違いではない。
 でも、たったそれだけなのに……。
「あっ、駄目っ」
 熱く湿った吐息と共に、その言葉が自然に出た。
 くすぐったさに耐えようとこわばらせたカラダを、トワの上半身に強く押し付ける。
(ああ、レジーナ…)
 彼女の可愛らしい魅力に、心の片隅が蕩ける。
 さんざん乳首を弄ばれたコトも忘れ、その保護欲をそそる少女期の裸身を、トワが柔らかな肌で迎えた。濡れそぼった金髪を左手で撫で、彼女の頭を自分の肩へと抱き寄せる。
 カラダの奥から、ぶるっ…という震えが湧き上がってきた。
「……ああっ、きららの次くらいにかわいいですわ」
 ふたつの胸先 ――― 感じやすい部分をいじめられて喘いでいる少女の姿に、興奮を覚え始めた。レジーナの肩や太ももへ何度もすべらせる右手の平。きめこまやかな肌の柔らかさで、自分の手の感触が溶けてしまいそう。

(んっ、トワの手……くすぐったい)
 ふくらみかけの乳房を左右同時に責めてくるくすぐったさにどうしても意識が向いてしまうが、優しくカラダを撫でられるのも悪くない。
 ぶるるっ…と小さな震えが来た。
 なんだか……ガマン出来ない。 ――― でも、何をガマン出来ないのかが、まだよく分からない。感じたことのない熱がカラダの奥で増していって、ムズムズと苦しくなる。
「レジーナ、くすぐったすぎない?」
「…んっ、だいじょうぶ、平気」
「じゃあ、こんなのも平気?」
 ――― より大胆に。
 動きを変えてきた指使いに、レジーナが、うっ…と呻いて片目をつむった。
(あっ…うっ、ひめ、先っぽ擦るの……うまい……)
 甘美な感覚に責められて、すっかり固くなった乳首をつまむ親指と人差し指 ――― 乳首を上から押さえる親指は動かさず、その代わり、乳首の下を這う人差し指が根元から先っぽへと抜けるように、こまやかな往復を繰り返す。ときおりワザと爪の硬い感触でスーッとなぞってくるのが卑怯だった。そんなコトをされたら、背中がキュッと弓反ってしまう。
「はあぁぁっ…」
 トワの肩に熱い喘ぎをこぼす。そんなレジーナの頭を彼女の手が優しく撫でてくれる。いつのまにか、レジーナもトワのカラダに抱きついていた。
「ん…んっ、トワぁ、ひめがいっぱいイジワルするよぉ……あっ、やっ…」
 レジーナが気持ち良さそうに声を上げて裸身を震わすと、トワもまた小さく「あぁっ…」と声をこぼした。濡れた肌と肌を強く重ねあう。
(不思議な……感じですわ。レジーナのカラダが気持ちよさそうな反応をすると ――― わたくしのカラダまで気持ちよくなって……)

 ――― ゾクッ……ゾクッ。

「ひめ、もっとレジーナをいじめてさしあげて」
「あっ、トワひど~~いっっ」
「んじゃあ、次はこんな感じで! どうっ? どうっ? レジーナ」
「やっ…ちょっと待って…あっ、待って、ひめっ、あっ…ああっ、そんな…あっ、激しっ……!」
「あっ…レジーナ、気持ち…いいのですね……んっ…ああっ」
「なんでっ…トワまで気持ちよくなってんのよ、ふぁっ…駄目っ、チカラ抜けちゃうっ……」
「フフッ……ハハハッ、よく分かんないけど二人とも降参しちゃえーーっ!」
「やだっ…ああっ、あっ! やっ…、ひめ、これ以上激しくしない…で……あああっ!」
「ああ駄目っ、レジーナ! そんなに気持ちよくなられたら、わたくしまで……っ!」

 トワとレジーナがどちらからともなく手を取り合って、強く指を絡める。
 そして、重ねた手の平同士をギュッと押し付けあった二人が、潤んだ双眸の端に涙の粒を盛り上げた。