2話 絶望 蘇る悪夢




トワ「はぁ はぁ はぁ・・・」

ここは何処? 真っ暗闇の中をさ迷うトワ
真っ暗でなにも見えない 不安と恐怖しかない 夢・・・トワが最近見ている悪夢です。

いや、また見始めたと言ったほうが 正しいでしょう。夏休み頃 はるか達の仲間になった頃 見ていた悪夢に似ているのです。 はるか達と過ごしていく内に みなくなったはずなのに 再びその悪夢はトワを苦しめているようでした。

トワ「ここは・・・」

パフ「トワ様~><」

気がつくと泣きつくパフの姿と心配そうな兄やアロマ達の姿があった。

トワ「お兄・・・様・・・」

カナタ「よかった 気がついたようだね」

アロマ「本当に無事でよかったロマ><」

トワ「私は一体・・・」

カナタ「丘の上でバイオリンを弾いていて倒れたんだよ。」

そういえば・・・ 今日もまた バイオリンを弾きに行ったはずだった。でも 途中でめまいがして・・・

カナタ「きっと 頑張りすぎたんだ しばらく 休んだほうがいい」

トワ「すいません・・・」

みんなに心配と迷惑をかけてしまう事に申し訳さそうでした。

トワ「・・・」

パフ「トワ様 大丈夫パフ?」

つきっきりでトワの看病をしているパフが心配そうに言います

トワ「・・・ ごめんなさいね パフにも心配をかけてしまって」

パフ「そんな事ないパフ!プリンセスを守るのがロイヤルフェアリーの役目 パフは ちっとも嫌じゃないパフ♪」

パフは微笑んで言います

トワ「ありがとう・・・。パフは優しいのね」

微笑み返しながらも 少し暗い顔をトワはしていました。

パフ「トワ様 ?」

トワ「ねぇ パフ。パフははるか達とお別れした事が 今でも悲しい?」

思いきって聞いてみるトワ。

パフ「悲しいパフ」

トワ「え?」

あっさりと答えられた事に驚くトワ

パフ「とっても悲しかったパフ。でも 夢に向かってみんなで頑張ろうって約束したパフ」

トワ「そうね・・・」

パフ「パフの夢は ロイヤルフェアリーとして メイドとして トワ様の為に頑張る事パフ♪」

トワ「パフ・・・」

パフ「パフは トワ様に もっと もっと笑顔になって欲しいパフ 」

トワ「本当に・・・あなたは優しいのね」

トワは 嬉しさと辛さで 泣きそうになっていました。


はぁ はぁ はぁ・・・

トワは走り続けていました。

いけども いけども 暗闇 また例の悪夢です。

トワ「はぁ はぁ はぁ ここは 絶望の森・・・?」

絶望の森のような場所 トワにはそう思えました。そして その闇には 不気味に微笑む何かが見えました

トワ「あれは・・・ ディスピア!?」

夢とはいえ ディスピアの存在にトワは怯えていました。

ディスピア「・・・」

トワ「な、なんです! この夢はあなたの仕業なのですか!?」

ディスピア「久しいな トワイライト」

トワ「こんな嫌がらせをしてなんのつもりですか!!」

トワの言葉に不敵な笑みを浮かべながらディスピアは言います

ディスピア「絶望は消えない」

トワ「私は・・・ もう 絶望に負けません! この国も!!」

ディスピア「ならば 何故 おまえは絶望している(笑)」

トワ「私は 絶望なんか・・・」

ディスピア「この国が絶望したのは 民が弱いからだ そして 弱い民を追い詰めたのは トワイライト・・・ お前だ(笑)」

トワ「違う! 国の民は弱くなんかありません!!」

ディスピア「自分のせいだというのは否定しないのだな(笑)」

トワ「ぐっ・・・!」

ディスピア「いずれにせよ・・・ おまえは また 民を苦しめる おまえのせいでまたこの国は絶望に陥るのだ(笑)」

どんどん迫ってくるディスピア トワは逃れようと必死に逃げようとします。

ディスピア「絶望は消えない・・・」

はぁ はぁ はぁ・・・ 来ないで 来ないで!!

トワ「はっ・・・!!」

目が覚めると 汗だくになっていました。

パフ「トワ様! どうしたパフ?」

心配そうなパフ

トワ「大丈夫 悪い夢を見ただけですわ」

パフ「すっごい汗パフ!! 着替えないと駄目パフ!」

慌てて パフがトワを着替えさせます

パフ「これで よし パフ」

トワ「ありがとう・・・」

パフ「トワ様 本当に大丈夫パフ?」

トワ「大丈夫・・・ 大丈夫よ・・・」

トワはパフをぎゅっと抱き締めて言いました。


トワ「・・・」

次の日 トワは何となく 絶望の森の方へ行きました。

トワ「静か・・・ね」

初めてという訳ではないけれど 知らない場所に来ているような感覚さえしていた。

トワ「絶望は消えない・・・」

忘れようとしても忘れられない悪夢。あれは本当に夢だったのだろうか?とすら思う。

絶望は消えない・・・。ディスピアの言葉が繰返し頭の中に響く。何度も否定しようとも 振り払おうとも 無理だった。

トワ「・・・ッ!」

不気味な雰囲気のするこの場所に 長く留まってはならない気がして トワは駆け出した。

トワ「キャッ!」

何かにつまずいて転ぶトワ。振り返ると
ツルが伸びて襲いかかってきた

カナタ「トワ!!」

トワに迫るツルをカナタが追い払った。

トワ「お兄様」

カナタ「よかった 無事なようだね。」

妹を見つけてホッとするカナタ

トワ「すみません またご心配を・・・」

カナタ「トワが無事ならそれでいいんだ。それより 一体何が起こっているんだろう・・・」

トワ「分かりません・・・ でも ここは嫌な感じがします。」

カナタ「・・・帰ろう」

やはり、何かが起こっているのだろうか? 怯えている妹を抱き締めながら カナタはそう思いました。

その夜 トワはまた同じ夢を見ました。
何度も繰り返されるディスピアの言葉
今回の事・・・ トワには不安ばかりが募りました。

トワ「みんな・・・(涙)」

夜中に 目が覚めてしまったトワはゆいに貰ったスケッチブックを抱き締めながら泣いていました。

パフ「トワ様・・・」

パフはなんと声をかけていいのかわかりませんでした。

トワ「何・・・?」

その時 このスケッチブックから あの時と同じように キーがでて来ました


カナタ「これは ドレスアップキー?」

スケッチブックから出てきたものは ガラスのように透明ではありますが スカーレットのキーにそっくりでした。

トワ「一体 どういうことなのでしょう・・・」

カナタ「分からない・・・。だが このキーからは強い夢の力を感じる」

トワ「夢の力・・・」

パフ「このキーがあればもう一度はるか達の世界に行けるパフ!?」

カナタ「 どうだろう・・・ 仮に行けたとしても 昔のように気軽に行けるものなのか 分からないし はるか達の世界と繋がるかどうかも分からない。」

パフ「きっと 行けるパフ!」

トワ「パフ・・・」

アロマ「どうしてロマ?」

パフ「はるか達も パフ達の事を トワ様の事を 想ってるからパフ♪ だから きっと また会えるパフ」

自信たっぷりに言うパフ。

トワ「・・・」

もし、 もしも もう一度 はるか達に会えるなら・・・ トワは思いました。もう一度
はるか達に会いたい!!

トワ「あっ!?」

すると キーが光り出しました。

アロマ「まさか!?」

パフ「・・・ きっと大丈夫パフ! 」

トワ「パフ!」

パフがトワに抱きつきます

カナタ「パフ 、トワの事を頼んだよ それから はるか達によろしく!」

パフ「分かったパフ!!」

アロマ「トワ様も お気をつけて ロマ」

トワ「はい!!」

トワとパフはキーに導かれ 再び人間界に行ったのでした。

トワ「ここは・・・」

パフ「ノーブル学園パフ?」

トワとパフが来たのは トワがこの世界に来た時に 初めて来た あの場所でした。

???「トワ・・・ちゃん?」

トワ「!!」

声を掛けられて振り向くとそこにはよく見知った人物がいました。



最終更新:2016年03月11日 02:06