1話 悲しみのプリンセス




ただ夢の為に一生懸命だった。迷いが出て 魔女の誘惑に負けて 闇にそまった。
でも、大好きだったあの曲は 覚えていた。
わたくしは夢に救われた。

罪と共にプリキュアとして 紅城トワとして 生きていくと決めた。沢山の温もりを
知って わたくしは変わった。大切な故郷を必ず取り戻すと わたくしは誓った。


立派なプリンセスになってみんなを幸せにしたい
紅城トワ


トワ「はるか達の言った通り 素敵な所・・・。」

夢溢れるこの場所に初めて来たトワ

美しい薔薇の咲き乱れる庭 小屋から見える海 夜はきっと星が綺麗に広がる青空 ・・・
トワはこの素敵な光景にとても感動していた。

トワ「絶対 絶対 立派なプリンセスになってみせますわ!!」

強く、強く決意をするトワ。前向きな気持ちになったつもりだけれど 彼女の心から 友達と離ればなれになった悲しみが消えた訳ではなかった。

でも、みんなに心配かけまいとトワは気丈に振る舞っていました。悲しみを押し込んで・・・

これは きららと再会する前のお話

トワ「・・・」~♪

トワは丘でいつものようにバイオリンを奏でていた。彼女にとって一番安らぐ時である。バイオリンを弾いていると 自由な気がするから

パフ「トワ様の演奏 今日も気持ちいいパフ♪」

トワ「ふふふ。ありがとう パフ」

あの頃とは変わって少し落ち着いた雰囲気になったパフが今日も微笑んでいる。
あれから 10年・・・ もうあの頃のどじっこメイド見習いの姿はそこにはない。

妖精の成長は人とは異なるとは聞くけれど、流石にパフ達の成長速度にはトワもカナタも驚いた。 はるか達が二人の姿を見たらどんな顔をするんだろう?想像してトワは笑う。

アロマ「パフー♪トワ様」

トワ達が楽しそうにしていると 今や別人と思われてもおかしくないくらい 美青年になっている アロマがカナタと共にやってくる。

トワ「お兄様♪」

トワは嬉しそうな顔を浮かべる

カナタ「今日はもう暇なのかい?」

トワ「ええ。 ようやく落ち着いたので いつものようにバイオリンを弾きにきていましたわ」

カナタ「ははは・・・。その様子だと 相変わらず 大変そうだね」

少しむくれている妹の様子を見て カナタは察します。

パフ「トワ様は今日もお城で苦労してたパフ」

アロマ「ああ・・・ なんと嘆かわしい やはりあちらの世界での生活が影響しているロマ><」

同情の眼差しで見る二人に抗議するようにトワは言います

トワ「プリンセスとしての感覚が鈍っている訳ではありません!仕事もレッスンもいいのです!!ただ、ただ・・・ どうしても 何もしないでじっとしているという事が 慣れないのです!!」

1年という間ではあるが トワははるか達の世界に馴染みすぎた。それ故に プリンセスとしての生活に少し不馴れになってしまっていた。

トワ「ノーブル学園では 着替えも 食事も 何をするにも 自分でやらなければなりませんでした。」

パフ「トワ様は最初 とても苦労なさっていたパフ(苦笑)」

当時 あちらの世界に来たばかりのトワは分からない事だらけで困惑していた。お姫様だったゆえに 一人では何も出来ず 随分と きらら達に助けられていた。

トワ「お城では 何をするのもメイド任せでしたもの 仕方ありませんわ・・・。でも、今は 逆です!! あちらの生活に慣れ過ぎてしまった私にとって 今の状態はとても窮屈に感じるのです。」

トワはため息混じりに言います。

カナタ「それだけかい?」

トワ「お兄様?」

カナタ「トワの奏でる音色は 繊細で優しい。でも最近の音色には 悲しみを感じたから 少し気になってね」

心配そうに見る兄にトワは言います。

トワ「お兄様にはかくせませんね・・・。バイオリンを弾くと あちらの世界での事を みんなの事を思い出してしまい、懐かしく思ってしまう事があるのです。」

カナタ「トワ・・・」

トワ「大丈夫ですわ 少し悲しくなる時があるだけですから」

そう、微笑むトワは少し寂しそうな顔をしていました。

アロマ「トワ様 大丈夫ロマ?」

トワ「だ、大丈夫ですわ! そんな事より お兄様 森の様子はどうでしたか?」

誤魔化すように話題を変えるトワ

カナタ「あ、ああ。 今日も静かだったよ」

トワ「そうですか・・・」

カナタ「トワ?」

トワ「な、なんでもありませんわ!!」

トワは何もなかったかのように再びバイオリンを弾き始めました。

パフ「パフ♪」

アロマ「いい音色ロマ」

カナタ「ああ・・・」

カナタも弾き始めます。

しかし、カナタは妹の演奏が気になっていました。少し辛いだけだと言ってはいたものの、とても悲しい音色に感じていました。それだけではなく、何か違和感もありました。

カナタ「・・・」

絶望の森の事はカナタも気にしていました。今までのように 穏やかではありますが、何か 居心地の悪いようなそんな雰囲気がしていたからです。

今の所 特に問題はないのですが カナタは嫌な予感がしていました。

妹の事を心配しながら カナタはバイオリンを弾いていました。

錦戸さんやはるか達なら 演奏の違和感に気づくかも知れませんが パフ達はそれに気づく事なく 心地よい二人の演奏に ただ聞き入っていました。