「鍵への絆」/コロ助MH




「ティン、ティン…」携帯を取り出す度に木琴の様な心地よい響きが鳴りその度に私は自然と笑みがこぼれる 社長はそんな私を見て「結局、全部付けているのね」と少し呆れた顔で言うけれど、だって仕方ないじゃん皆の想いが一杯、詰まってんだからさ あれから五年位経つけどあの日の事は未だに忘れられない良い思い出だ。

私がフランスに出発する日、はるはる達みんなが空港まで見送りに来てくれた 搭乗手続きも終わりいよいよお別れとなった時に突然、はるはるが「みんなに渡すものがあるの」と何かを取り出した それは小さな透明のラッピングに入っている木札のストラップだった 見ると私達がプリキュアだった時に身に付けていた馴染みのあるホープキングダムの紋章が彫られていてそれをみなみん、トワッち、ゆいゆいとアロマとパフにも手渡した 更によく見るとそれぞれのストラップの色が渡した相手のイメージカラーになっていて、みなみんは水色、トワッちは赤、ゆいゆいは紺、そしてアロマとパフはパープルと気が利いてて、受け取ったみんなは感嘆の声を上げて喜んでいた「さすがはるはる、気がきく~」と感心してる所に私にも渡されたんだけど何故かそのストラップの色はピンクだった。

「何で?」と不思議そうな顔をしていると「きららちゃん、あのねその色は私のつもりなんだ だからきららちゃんの夢と一緒に連れてってくれたら嬉しいなって…」と私がもう一度トップモデルを目指すと宣言した時と同じはるはるの笑顔がそこにあった 一瞬、あの日の光景がフラッシュバックしてそして、きっとこれからもずっと彼女は同じ笑顔で応援し続けてくれるだろうと思うと胸が一杯になってきて「はるはる、ありがとう!大切に…」と抱きしめようとした瞬間に突然、「はるかばかりずるいですわ!きらら是非、私のも持って行ってくださいまし」と「これで私の想いもいつでもきららと一緒ですわ」と胸に両手を合わせて迫ってきた そのあまりの迫力にたじろぎながらも「いやあのねトワッち、これは…」と言いかけた時に「きららちゃん、私の想い持って行って!」と今度はゆいゆいが鼻息を荒くして迫ってきて更に「きららに持って行って欲しいロマ(パフ)!」とアロマとパフが、こちらは文字通り鼻息を荒くして迫ってくるので「コラっあんた達は人前じゃしゃべっちゃまずいでしょ…」ってと突っ込んだ所に今度はみなみんが来た。

「きらら是非、私のも持って行って頂戴、それとはるか、後で私にもはるか色のストラップを用意して頂戴」と毅然としながらも何気にはるかかラブを主張している様子に何だかなあと思ってはるはるの方を見ると、この賑やかな様子を少し離れた所で楽しそうに満面の笑顔で見ていた その姿に「やっぱりはるはるには敵わないや」と笑みがこぼれる きっとこうなる事を予想してて…となれば私に出来る事は…「みんなありがとうね、大切にするよ」とひとりひとりから受け取り「みんなの想いと一緒に私はフランスに行き夢を追い続けるよ!」とみんなから受け取ったストラップを右手に集めて持ち天に向けて掲げる いつもの私の宣言のポーズに一同から拍手が鳴り響き皆に笑顔を向けると満面の笑顔で返してくれた「湿っぽいお別れは柄じゃないしね~」と思いながらもよくよく見てみると皆の目が真っ赤になりながらの精一杯、の笑顔だった きっと私も同じ顔をしてるんだろうけど、でも我慢、我慢、最後に見た顔が泣き顔じゃお互い寂しいからね

搭乗の時間が来て皆とひとり、ひとりと握手とハグを交わし「じゃあ、またね!」と別れを告げ、搭乗ゲートを進み少し歩いた所で最後にポーズでも決めてやろうかと振り返るとそこには、はるはるが皆と一緒にわんわんと泣き崩れている姿が見えた… 飛行機の中、ずっと涙が止まらずにいるとそんな私に社長は「あのきららがこんなに泣く所が見られるなんてね」と苦笑しながら頭を撫でてくれた「あたし、前より弱くなっちゃったのかな」と呟くと「違うわよ、きららはたくさんの大切なものを手に入れたのよ だから今は寂しいかもしれないけどきっとこれからもっともっと強くなれるのよ」とそっと抱きしめてくれた。

あの後、はるはるからの手紙には皆に同じストラップを用意したそうでトワッチとカナタとパフとアロマ、更にはミス・シャムールとクロロにまで渡してお見送りをしたそうだ そして「この木札ストラップは使い込んでいくうちにつやが出て味が出て成長して行くんだって、私達の夢も一緒に成長していけると良いよね」と そう言われると尚更にこのストラップが愛おしくなってくる あれから五年、私のは随分と色つやが出て味が出ている きっと皆のも育っているのだと思う、自身の夢と一緒に いつか皆と再会出来た時に見せ合える日が楽しみだ その時まで「つよく、やさしく、美しく」行こうと思う 自身を高め続け近い将来、私はママにも負けない位トップモデルになってはるはる達に会いにいくんだ 「親友」と呼べる大切な友人達とまた笑顔で会える時まで。

その後、この彼女達が持つストラップから新たなキーが生まれるのはまだちょっとだけ先のお話 彼女達の未来がずっと光り輝く事を祈って。

終わり