夢への道 1話 懐かしき友との再会~ 輝きを失った星




夢の為にただひた向きだった。憧れのあの人のような 素敵なモデルになる為に 仕事に全力を注いだ。別にそれが悪い訳じゃないけれど あの時の自分は周りの事を見ていなかった。

自分が夢を目指す事しか考えてなかった・・・ だけど 夢に向かってひた向きな彼女のおかげで 応援してくれる人がいる心強さを知った。夢は一人で目指すものではないと教えてくれた。

ある時、大切な夢を守る為に 大きなチャンスを棒に振った。
みんなを失望させたかもしれないって落ち込んだ。 強がって 意地をはって 頑なに夢を拒んでいた・・・そんな時、みんなに元気を貰った。

応援してくれる 自分を想ってくれる人がいる 温かさを改めて知った。もう一度夢に向かって歩もうと思った・・・・・・


きららは秘密の花園に一人、来ていました。

世界で輝くトップモデルになる!
天の川きらら

きらら「これでよし・・・」

一足先にこの学園を去らなければならない彼女は 夢を書いた紙を張りに来ていたのです。

もうすぐみんなともお別れか・・・ そう、考えていると きららはあるものを見つけます。

立派なプリンセスになってみんなを幸せにしたい
紅城トワ

きらら「トワっちも来てたんだ」

それはもう一人、自分と同じようにこの春に学園を去ってしまう親友の夢でした。

きらら「入れ違いになっちゃったのかな?」

その紙はまだ張ったばかりのような感じのようでした。

きらら「立派なプリンセス・・・か」

ちょっと寂しそうなきらら

きらら「・・・そろそろ帰ろ」

きららは花園を去りました。


それから10年・・・


きらら「・・・分かりました すいません。はい・・・はい・・・」

天の川きらら23歳 大人になって母親に似てきたと言われている 髪は当時より長くなっており 流石はモデルといった所か。
スタイルの良さも相変わらず。

きらら「はぁ・・・」

電話が終わるときららは深くため息を付きます。

きらら「今回もダメダメだったなぁ・・・」

きららは枕元の雑誌を取ると また深くため息を付きます。

きらら「やっぱり ママは凄いな」

きららが凹んでいると また電話がなります。表示された名前を見るやいなや ぱっと元気になるきらら。

きらら「もしもし、はるはる? 久し振り♪ うん・・・うん もちろん行くよ!! またみんなに会えるなんて楽しみだね♪♪」

それははるかからの 電話でした。久し振りにみんなと会えると きららはとてもうれしそうでした。



きらら「やっほー みなみん ゆいゆい 久しぶり♪」

店に入ってすぐ見知った顔をみつけて きららは嬉しそうに駆け寄ります。

みなみ「久しぶり きらら。相変わらず元気そうね♪」

きらら「ゆいゆいもみなみんも綺麗になったねぇ♪」

みなみ「もう、誉めてもなにもでないわよ><」

きらら「みなみんなんて 流石大人のレディって雰囲気出てるよ」

ゆい「私も再会した時、見とれちゃいました(笑)」

みなみ「そんなに誉められると恥ずかしいわ・・・」

二人に誉められてみなみは戸惑います。

きらら「ゆいゆいの変化も中々だけどね♪」

みなみ「そうね、余りにも変わってたから とても驚いたわ」

ゆい「そ、そこまで言われると流石に照れます・・・」

ゆいも顔を真っ赤にして戸惑っていました。

ゆい「でも やっぱりきららちゃんには敵わないよ 流石世界で輝くモデルは違うね♪ 」

きらら「ま、まあね」

みなみ「そう言えば きららの載ってる向こうの雑誌を見たわ やっぱり凄いわね♪ ステラさんも ほかのモデルも そんな雑誌に載れるなんて 流石はきららね! 」

ゆい「わぁ~ 見たかったなぁ きららちゃんの載ってる雑誌♪」

きらら「・・・」

きららの事を楽しそうに話す二人。でも
きららは余り嬉しくなさそうでした。
それどころか複雑な顔をしています。

みなみ「きらら?」

きらら「ううん・・・なんでもない」

ゆい「私たち 何か悪いこと言った?」

きらら「ごめん ごめん なんか見とれちゃったわ 七瀬先生に(笑)」

ゆい「え!?><」

誤魔化すように言ったきららの発言に困惑するゆい。

きらら「トワっちも言ってたけど、眼鏡とった姿も結構可愛いよ 七瀬先生♪」

少しからかうように言うきらら。

ゆい「そそ、そんな先生だなんて大げさな・・・ ただ一回入賞しただけだし><」

みなみ「でも 十分凄いことよ コンクールに入賞するなんて 」

ゆいは絵本のコンクールで最近入賞したのです。本人は謙遜していますが、周りからは称賛の声が挙がっていました。

きらら「そうそう♪ 自信持ちなって 七瀬先生(笑)」

ゆい「もう!だからその先生はやめて>< でも ありがとう。はるかちゃんも まるで自分の事みたいにすっごく喜んでくれて 嬉しかったんだ(笑)」

みなみ「ふふふ・・・はるからしいわね♪」

嬉しそうに話すゆい。みなみはその様子を想像して笑います。

きらら「ところで、その本人はまだ来てないみたいだけど・・・」

ゆい「はるかちゃんは遅れてくるって」

きらら「そっかぁ はるはるがどう変わったのか見物だなぁ(笑)」

みなみ「トワも綺麗になってるんでしょうね」

きらら「トワっちは きっとますますプリンセスらしくなってると思うよ」

そういいながら少し寂しそうな顔をするきらら。みなみは申し訳なさそうに言いました。

みなみ「ごめんなさい・・・ わたしたったらつい あなたの気持ちも考えずにトワの事を・・・」

きらら「もう~それは言わない約束でしょ!トワっちだって向こうで頑張ってるんだからさ 私達がそんなんじゃ 笑われちゃうよ♪」

笑顔で言うきらら。紅城トワ。ここにはいないもう一人の友人・・・戦いの後 キーの眠りと共に繋がりを失った為 トワは王国へ帰らなければいけなくなり、永遠のお別れになってしまったのです。

当然、今回のような集まりにもこれる訳もなく その名前が出る度にしんみりしたり 微妙な空気になるのはもはや定番の事でした。

みなみ「ほんとに ほんとに平気なの きらら?」

心配そうなみなみ。

きらら「人の事より、みなみんはどうなのよ 最近?」

きららはトワの事から話題を変えようとみなみの事を聞きます。

みなみ「私は 別に いつも通りよ 獣医になる為に 日々頑張ってるわ」

みなみはいたって真面目に答えます。

きらら「そっかぁ その様子だとカリフォルニアのほうではあすか先生とよろしくやってんだ♪」

またしても茶化すように言うきらら。
みなみは獣医になるため 専門学校に進学。その後 カリフォルニアに留学し、あすかさんの元で獣医の卵として頑張っていました。

ゆい「きららちゃん その話題はその辺で・・・」

何かまずかったのか ゆいが心配そうな顔をしていて、きららは戸惑いました。

きらら「え、何?私なんかまずい事言った><?」

みなみ「実は しばらく こっちにいる事にしたの」

きらら「へ?」

みなみ「・・・ティナが怪我をして お兄様が受け持ってる水族館に保護されたのだけれど あの子最近元気がなくって」

きらら「・・・」

みなみ「あすかさんに看てもらったんだけど・・・ ティナも結構年だし、今回はとりあえず大丈夫だけど いつ死ぬかも分からないって・・・」

辛そうに話すみなみをみてとても申し訳なさそうにするきらら。

きらら「ごめん・・・何か嫌なこと思い出させちゃったみたいで・・・」

みなみ「いいのよ!別にきららは悪気があった訳じゃないんだから。」

きらら「みなみん・・・」

みなみ「それに 生きとし生けるものはいつかは死ぬ!それが自然の理だから 私たちは受け入れなくてはいけない。獣医っていうのはそういう事とも向き合っていかなくちゃいけない 大変な仕事だってあすかさんも言っていたし。」

きらら「・・・」

みなみ「だから 私も これからも これまで通りティナと過ごしていこうと思ったの。いつお別れになるかは分からないけど 最後まで悔いのないようにあの子にも生きてほしいし。 今はあの子が元気になるまで側にいようと思った ただそれだけよ♪ あすかさんも許してくれてるしね。」

ゆい「みなみさん・・・」

みなみの話にゆいは感動していました。

きらら「よし!みなみん 今日はとことんのも~!!」

みなみ「え!ちょ、ちょっときらら!?」



最終更新:2016年02月20日 14:19