『銀河鉄道の夜』/Mitchell&Carroll




「……トワっち、起きてる?」
「……ええ」

 しんと静まった真夜中。眠れないトワの横を目指し、
 幽かな月の光を頼りに、きららは二段ベッドの梯子を枕を抱えて降りて来た。

「へへっ」

 トワの枕の横に自分の枕を並べて、もぞもぞと布団の中へ侵入開始。

「あたしが眠れない時はね、あたしのママがこうやって、昔話なんかしてくれたんだ。
 ママがあたしより先に寝ちゃったりしてさ」

 トワの返事も聞かず、始めるつもりである。

「昔々、あるところに――」

 真っ暗な劇場で始まったお伽話。それは、きららの少したどたどしい語りによって。




「……それで、どうなったのです?」

 語りが途絶えたので、ふと横を見ると、

「きらら?……まあ」

 少し、はみ出しているきららの肩に毛布を掛けてあげる。


 今夜は、不思議なくらい温かい。