今夜は満月。
月明かりで二人の少女の姿が白く浮かび上がる。



ラブは一糸まとわぬ姿。
私が身につけているのは、ラブからもらったクローバーのペンダントだけ。



はじまりの合図は、額へのキス。


吐息とともに、ラブの顔が下へ降りてくる。
そのまま下に下がるかと思うと横にそれて、私の顔の輪郭に沿って舌を這わせてくる。
こめかみから耳へ。耳は形をなぞるように。
耳たぶを少し甘噛みしつつ、耳の裏の敏感な所に。


ラブの熱い吐息で、首筋に鳥肌にも似た、ざわざわした感覚が生まれはじめる。
けれど、ラブの唇はすぐに違う場所へと移動していく。



顎の下のカーブに沿って、だんだん下へと降りていく唇。
唇が離れてしまえば消えてしまうような、優しいけれど軽い愛撫に、私はもどかしさを覚える。
私の気持ちを知ってか知らずにいるのか、ラブが私の鎖骨のくぼみに舌を這わせていく。



ラブの右手は、クローバーのペンダントを弄び、私の肌に円を描く。
その円は小さなものから、だんだん大きいものへと。
ひんやりとしていたペンダントのクローバーの部分は、私の体温で熱せられ、火傷しそうな程、熱くなる。
熱くなったペンダントを私の肌に滑らせていき、
クローバーが私の胸の先端に引っかかって、少しずつ快感を生み出す。


気持ちいい・・・・だけど、本当にじれったい。



「せつな、焦らしてるとか思っているでしょ。いつもあたしばっかり欲しがってるみたいだから。
せつなにも、もっともっとあたしが欲しいと思って欲しい」


私の体から顔をあげてラブが言う。その言葉に、


そんなことない、ラブが気付いてないだけ。でも絶対に口に出さないから。


と心の中で言い返す。



「せつなって、嘘つくというか、肝心なこと言わないところがあるよね」


ラブが呆れたように言ったかと思うと、ニヤって笑った?
いつもの私の大好きな笑顔じゃない?



次の瞬間に来た、強い快感。
不意をつかれた突然の快感に、私は思わず声をあげてしまう。



ラブが私の胸に顔を埋め、先端を強く吸い、もう一方を指先で捻る。
手はそのままに、ラブの顔はだんだん下へと降りていく。
ゆっくり降りていく唇。でも、早い息遣いは興奮を隠せない。
私の呼吸もだんだん切迫したものへと変わっていく。
それをラブに知られたくなくて、私は必死にブッキーに教わった呼吸法を思い出す。


続いてくるラブの手。
その指は幸せのマッチ棒であるかの様に、私の体に炎を灯していく。
でもその炎は幻じゃない。私の体の中心へ熱が徐々に溜まっていく。


私の膝にラブの手がかかると次に何が起こるのかが分かり、私は受け入れるよう大きく脚を開く。
頭のどこかで羞恥を覚えるものの、ラブが触れてこないことのほうが、私には辛い。



私の太腿にかかるラブの髪がくすぐったい。
ラブの頭を引き離したいのかそれとも引き寄せたいのか自分でも分からないけど、ラブの髪の中に自分の指を埋める。


ラブの唇が私の一番な敏感な所へ触れてくる。充分濡れていることを感じたのか、私の中に指を差し入れてくる。
私の中で蠢くラブの指。ラブの舌は私の一番敏感な所へ円を描くように這いまわる。
私はその刺激に頂上へと駆り立てられていき、私の目の前にだんだん闇が広がっていく。



その闇は悪夢を寄せ付けない程の安らぎを私に与えてくれると同時に、死の恐怖にも似た怖さを抱く。
縋るものを探すように虚空を彷徨う私の手に、ラブの指が絡んでくる。
ラブの手だけが、私とこの世界を結ぶ。その手を離したくなくて、自分からも指を絡める。
私はラブが生み出した闇に、どこまでも堕ちて行く・・・





次に、私が気付いたとき。



目の前に、私の大好きなラブの笑顔。
それがだんだん、悪戯っぽいものになっていって。



「せつな、7回」
何、7回って。私が達した・・・



「違うんだな。それが」
もしかして、私が思っていること分かった?



「せつながあたしのこと、大好きって言った数」
えー、何それ。



「それなら幾らでも言ってあげるわよ。ラブ大好き、ラブ大好き、ラブ大好き・・・・」
「ええー、あたしだってせつなのこと大好きなのに。せつな大好き、せつな大好き・・」


息つぎもせす、お互い言い続ける私達。



「28回」
「はあ、はあ、30回」


あたしの勝ちだねというラブに、


「ラブ大好き、ラブ大好き、ラブ大好き」
と耳元に囁き、自分の唇をラブの唇に重ね合わせる。



ラブは何か言いたげな表情をするけど、そのまま目を閉じていく。
せつなずるい、とでも言いたかったのだろうけど。
私は目を瞑り、ラブの首に腕を絡めキスを深めていく。
ラブが私の体に腕を回し、力を込めて私を抱き寄せる。



寄り添う二人を、今宵の満月だけが見守っている。






SABI10は後日談