『look at me!』/Mitchell&Carroll




 ――さて、どんな服を着て行こうか?この世界のことはよく知らないから、とりあえず雑誌を参考にそれらしい服をいくつか選んでみたのだが……。

 ベッドの上に三着ほど服を並べて、腕組みをしたまま黙っている。しばらくして、ひとつずつ着てみては、姿見で前と横と、それから後ろを確認する。

 ――これがよさそうだ。雑誌に載っていたのだから、間違いない。

 薄紫色のワンピース、白のカーディガン、白のブーツ。ワンピースと同色の帽子を被って、館を出る。だが、何か違和感を感じて、すぐに引き返す。

「おや、雨でも降ってきたのかい?」
「いや、この服が気に入らないから、別の服に着替えてくるだけだ」
「ふうん、おしゃれに気を遣うなんて、女の子らしいところもあるじゃないか」

 ――サウラー、うるさい男だ。

 年相応の無難な服に着替えて、再び館を出る。森の中を真ん中ほど進んだあたりだった。やはり何か違和感を感じ、再び引き返す。
 サウラーがまた何か言おうとしたが、「何も訊くな!」と制した。
 もう一度、最初の服に着替え、玄関のあたりで少しまごついたものの、今度こそ館を後にする。

 ――間違いないはずなのだ、雑誌に載っていたのだから。奴にはそれなりに良い印象を持ってもらわねば困る。でなければ、今後近付くことが容易ではなくなるからな。それとも、占い師の恰好で町を練り歩けと?フッ、馬鹿な。あの恰好が普段着だなどと思われてたまるか。しかし、奴は私のこの服を見てどう思うだろうか?もし、変だと思われたりしたら……いや、そんなはずはない。なにしろ、雑誌に載っていた服なのだからな。いかん、まただんだんこの服が似合っているかどうか分からなくなってきた。ええい、どうにでもなれ!笑いたければ笑うがいい。こちらはあのケータイさえ奪えばいいのだ。そうだ、ならばこういう作戦はどうだ?奴がこの服に見惚れている隙に、奴のケータイを奪うのだ。華麗に変身した私のこの姿に見惚れたが最後、奴はプリキュアに変身できなくなるというわけだ。馬鹿な子。フフ……フフフ……