ねぎぼうの140文字SS【30】


1.ラブせつで「待つ」/ねぎぼう


本当は一緒にダンスをしたいって、わかってるんだ。
ダンスの本をずっと読んでることも知ってる。
一緒にいるんだもん。
そう、今のせつなってあのときのブッキーみたいだもん。
だから踊りたい気持ちも一番わかってくれるんだよね。
だから、せつなをお願いね。
ちゃあんと新しい横断幕も作ってるから。


2.ラブせつで「赤」/ねぎぼう


プロデビューしたといってもまだまだ駆け出し。
オーディションに受からず落ち込むこともあるんだ。
そんなときはね……

「このブレスレット、もしかして?」
「はい、ミユキさん!
これを着けると、どんなに辛いことがあっても精一杯頑張る気持ちになれるんです」
「せつなちゃんも頑張っているのよね」

※ラブはプロのダンサーでトリニティの妹分的ポジション。
※二人はお母さんからのブレスレットを交換したんですね。


3.ラブせつで『独り占め』/ねぎぼう


帰り支度をしているせつなの部屋の前に立ち、深呼吸したラブがノックする。

「どしたの?」
「今日はホワイトデーなんだ」

贈り物に照れた顔を添えて。

「開けてみて」

白いチョコに描かれていたのは……

「今のせつなだよ」
「ラブ……ありがとう」

判ってる、この笑顔は皆のもの。
でも今だけは独り占め。


4.ラブせつで【 抱きすくめて 】/ねぎぼう


「じゃあ、またね」

お祭りも終わり、仲間たちは元の場所に帰っていく。

「みきたん、ブッキー、また明日ね」

気づけばせつなと二人きり。
ラブは繋いだ手に力を込めた。

「どしたの?」

その手をくいっと引き寄せると、そのまま抱きすくめていた。

「せつな……」

帰らないでと言いたいのを飲み込んで。


5.ラブせつで『世界で一つだけの願い事』/ねぎぼう


誰もがせつなの夢が叶うことを願ってる。
あたしもすごくいいと思ってる。

なのに、もうひとりのあたしの心だけが泣き叫んでる。
“せつなとずっと一緒にいたいよ”って。

何とも勝手な、世界で一つだけの願い事。
でもね、これもあたしの願いには変わりないもん。

だから、決めたんだ! 待っててせつな!


6.ラブせつで『大人しく降参して』/ねぎぼう


「大人しく降参して!」

いくら言ってもニンジンを残すラブにせつなは痺れを切らす。

「降参するよ」
「え?」
「お願い……食べさせて」

ラブは軽く口をあけた。

「もう、ラブったら」

せつなはニンジンを口にすると……そのまま飲み込む。

「せつなぁ」
「だーめ、自分で食べなさい(ご褒美はその後よ)」


7.せつなとラブで『ありふれた日常の中の幸せ』/ねぎぼう


緑のカーテンに咲くトケイソウをパシャリ!
せつなはリンクルンで送信した。
『今年も咲いているわ』

ラビリンスの大地が花を思い出すのに
何年も要したことを知るだけに、
花がもはや特別なイベントではなくて
ありふれた日常の中の幸せになったことが
ラブには嬉しい。

返信に今花壇に咲く紫陽花を送る。