140文字SS:フレッシュプリキュア!【26】
1.ラブせつで「待つ」/ねぎぼう
本当は一緒にダンスをしたいって、わかってるんだ。
ダンスの本をずっと読んでることも知ってる。
一緒にいるんだもん。
そう、今のせつなってあのときのブッキーみたいだもん。
だから踊りたい気持ちも一番わかってくれるんだよね。
だから、せつなをお願いね。
ちゃあんと新しい横断幕も作ってるから。
2.ラブせつで「赤」/ねぎぼう
プロデビューしたといってもまだまだ駆け出し。
オーディションに受からず落ち込むこともあるんだ。
そんなときはね……
「このブレスレット、もしかして?」
「はい、ミユキさん!
これを着けると、どんなに辛いことがあっても精一杯頑張る気持ちになれるんです」
「せつなちゃんも頑張っているのよね」
※ラブはプロのダンサーでトリニティの妹分的ポジション。
※二人はお母さんからのブレスレットを交換したんですね。
3.ラブせつで『独り占め』/ねぎぼう
帰り支度をしているせつなの部屋の前に立ち、深呼吸したラブがノックする。
「どしたの?」
「今日はホワイトデーなんだ」
贈り物に照れた顔を添えて。
「開けてみて」
白いチョコに描かれていたのは……
「今のせつなだよ」
「ラブ……ありがとう」
判ってる、この笑顔は皆のもの。
でも今だけは独り占め。
4.【スイッチオーバー・ビートアップ】/夏希◆JIBDaXNP.g
「ねえ、ラブ。これって」
せつなが偶然見つけた一枚の画像。
「イースとパッションが混じってる?」
「ええ、誰かの悪戯かしら……」
「そうかなぁ、イースが好きなのかも?」
「そんなの変よ!」
「だって、イースって罪じゃなくて、女の子の名前だもの」
人を悪い所から好きになる、それはきっと愛だから。
5.ラブせつで【 抱きすくめて 】/ねぎぼう
「じゃあ、またね」
お祭りも終わり、仲間たちは元の場所に帰っていく。
「みきたん、ブッキー、また明日ね」
気づけばせつなと二人きり。
ラブは繋いだ手に力を込めた。
「どしたの?」
その手をくいっと引き寄せると、そのまま抱きすくめていた。
「せつな……」
帰らないでと言いたいのを飲み込んで。
6.ラブせつで『世界で一つだけの願い事』/ねぎぼう
誰もがせつなの夢が叶うことを願ってる。
あたしもすごくいいと思ってる。
なのに、もうひとりのあたしの心だけが泣き叫んでる。
“せつなとずっと一緒にいたいよ”って。
何とも勝手な、世界で一つだけの願い事。
でもね、これもあたしの願いには変わりないもん。
だから、決めたんだ! 待っててせつな!
7.【名残雪】/夏希◆JIBDaXNP.g
春風に乗せられて桜の花が空に舞う。
名残雪。ふと、そんな表現が浮かんだ。
「樹の上では桃色なのに、散ると雪のように白いのね」
黒髪の少女は、小さく囁くと両手を広げた。
雪より眩しい銀の髪が風になびく。
「ごめん、やっぱいい」
隣の少女に抱き竦められる。
「綺麗だけど、雪のように消えそうだもの」
8.ラブせつで『大人しく降参して』/ねぎぼう
「大人しく降参して!」
いくら言ってもニンジンを残すラブにせつなは痺れを切らす。
「降参するよ」
「え?」
「お願い……食べさせて」
ラブは軽く口をあけた。
「もう、ラブったら」
せつなはニンジンを口にすると……そのまま飲み込む。
「せつなぁ」
「だーめ、自分で食べなさい(ご褒美はその後よ)」
9.ラビリンスからの電話/アクアマリン
あのね、ラブ。
とても重要な話があるの、よく聞いて。
実は私、ラブの子供を妊娠したの。 これからは出産や子育ても精一杯頑張るわ!
え……
お母さんやお父さんに報告!
初孫ができたら喜ぶ!?
今夜はお赤飯!!
ちょ、ちょっと待ってラブ。
今日何の日か知ってる?
エイプリルフールよ!!
10.『LIKE』/Mitchell&Carroll
「あら、ごめんね、せっちゃん。お口に合わなかった?」
「…いえ、違うの。ごめんなさい、ごちそうさま」
「えっ、せつな、もう食べないの?貰っちゃうよ?」
せつなは一人、部屋に戻っていく。
テレビが報じるのは、国民一人一人に番号を割り当てる制度のニュース。
最終更新:2015年04月22日 00:27