What's "reality"? 2




 ***2***

「んーと…じゃあなおちゃんはそこにちょっと足を開いて座って……その間にあかねちゃんが挟まる形で……」

 一度頼みにくい事を口にしたら吹っ切れたのか、やよいは二人の少女にテキパキと指示を出していく。
 一方のあかねとなおはというと、先程まで張り合っていた威勢の良さはどこへ吹き飛んだものか、気まずそうな表情でのそのそとやよいの注文通り――床に足を開き、膝を立てて座ったなおの太ももの間に、彼女にもたれるようにしてあかねが座るという――ポーズを取った。

(……うう……こんなモデルだったら引き受けるんじゃなかったよ……あ、相手があかねとはいえ……こ、こんな格好で密着して……は、恥ずかしい……)
(は、恥ずかしいのはウチかて一緒や!せ、せやけど、一旦引き受けた以上断られへんやろ!)

 やよいに聞こえないようにブツブツと小声で愚痴るなおに対し、あかねは同じく小声で一喝すると、それにしても、と首を捻った。

(この格好って……ど、どう見ても熱血スポーツ漫画ちゃうよな……これじゃあまるで……)
(う……そ、その……どう見たって……ら、ラブシーン……だよね……)
(コラ、な、なお!ウチがあえて口にしなかったのに!……それにしてもやよいがラブシーンって……奥手そうに見えて分からんもんやな……そりゃ想像もつかんやろ……)

 ラブシーン、と言葉にして意識した途端に、二人の体温が突如カーッと上昇していく。
 彼女達の事情など露知らぬ様で、距離を置いて思案深げに二人を眺めていたやよいは、重ねて無慈悲とも思える注文を投げかけてきた。

「……それで、と……なおちゃんはあかねちゃんの腰に両手を回して、出来るだけ強めに抱きしめて……あ、あかねちゃんは床に投げ出したように手足を伸ばして……」
(う……やっぱり抱きしめなきゃダメなんだ……)
(な、なんかもうどうでもええわ……なお、頼んだで……)

 半ば自暴自棄的に言ったあかねに答えるように、なおもまた諦め気味に彼女のお腹に両手を回す。
 それを見たやよいは一つ満足げに「うん!」と頷くと、正面に置いた椅子に腰掛けスケッチブックを開くと、いつものおっとりした彼女からは想像できないスピードで、鉛筆を縦横無尽に走らせていく。

「すごくいい!イメージ通りよ!……じゃあそのまま動かないでね……」

 一方、心ならずもなおに熱い抱擁を受けているあかねはといえば、なにやら苦悶の表情を浮かべていた。

(く、苦しい!!こらなお!きつく締めすぎやろ!!)
(だ、だって、やよいちゃんが出来るだけ強めにって……)
(強めに言うたかて限度があるやろ!!うぐ……!!ご、ゴリラ並みやないか、この怪力娘!!)
(ご、ゴリ……?か、怪力……?ふ、ふん!あかねの腹筋が弱いんじゃないの?何?このとても鍛えてるとは思えないこのムニムニ感は……)

 回した手であかねの腹部をさすさすと擦ると、なおは嘲笑を含んだ声でそう言った。
 途端にあかねはなおの手を振り払い立ち上がると、彼女を睨みつける。

「う、ウチの鍛え上げた身体のどこがムニムニやっちゅーねん!!失礼にも程があるやろ!!」
「そっちこそ、あたしのどこが怪力だっていうんだよ!しかもゴリラ並みって――!!」

 なおもまた立ち上がるとあかねを憤怒の形相で睨み返す。このまま放っておいては再び戦いの火蓋が切って落とされ――といったところで。
 バン!!
 空気を震わすように、やよいがその傍らに置かれた机をスケッチブックで音高く叩いた。

「い……な、なんや……?」
「や、やよいちゃん……?」
「……二人とも、ポーズ崩さないでって、さっきわたし言ったよね……?」

 本物の鬼であるアカオーニすら裸足で逃げ出すであろう、やよいの鬼気迫る刺すような怒りの視線に、さっきまでの勢いは何処へやら、あかねとなおは縮まり込むと、素直にポーズを取り直す。
 現金なもので、途端にやよいは両手を重ね合わせ頬に添えると、にっこりと微笑んだ。

「ありがとう!じゃ、続き書くね!」

 一心不乱にスケッチを再開し始めたやよいを見て、なおとあかねの口から、ほっと安堵の息がこぼれる。

(こ、こわー……や、やよいって絵を書いてる時は人が変わるんやな……知らんかった……)
(ほ、ホラ見ろ、怒られたじゃないか!大体あかねが――うぎっ!!)

 あかねに対し、悪態の一つもついてやろうとしたなおの太ももが、床に投げ出していたはずのあかねの手にいきなり抓られた。
 危うく大声を出しそうになりながらも、やよい怖さになんとか痛みに堪えたなおに、あかねが意地悪く囁きかける。

(んー?どないしてん、なお?ウチがなんやってぇ?)
(ううう……こ、このぉ……!!)
(なんやなんや、やり返せるもんならやり返して――んにゃっ!!)

 今度声を出すのを堪えるのはあかねの方だった。憎まれ口を聞いていた彼女の腹部に回されたなおの手が、こしょこしょとお臍の周りをくすぐり出したのだ。

(ふ……ふひ……こ、こりゃ、にゃお…!!)
(ホラあかね、我慢しないとダメでしょ?またやよいちゃんに怒られちゃうよ?)

 からかうようにそう言って、なおはやよいに気づかれないようにこっそりあかねをくすぐり続ける。そんななおに対し、あかねは笑いを抑えるのに必死で何の反撃も出来ずにいた。
 しかし、百面相のように表情を変化させながら懸命に笑い声を押し殺していたものの、さすがにそれにも限界が訪れる。

「ぷっ…く……くくくっ!!」

 敗北宣言というべきか、あかねは身をよじらせると、ついに固く閉ざしていた口を開いて大きな声を出してしまった。
 その瞬間、やよいがスケッチブックから顔を上げ、二人へとキッと厳しい視線を向ける。

(あ、あかん……!!ま、また怒らせてもうた!?)
「あかねちゃん……!」

 続くであろう烈しい怒号を覚悟して、あかねはキュッと身を竦めた。
 だが、やよいの口から出たのは意外にも怒りの言葉ではなかった。

「それよ、それ!その耐え難い辛さに苦しんでいる絶妙な表情!!それこそがわたしの漫画に必要な『リアリティ』なの!!」
「へ……?」

 思いもよらない突然の賛辞に、頭の上に疑問符を浮かばせ目を丸くするあかね。
 やよいはそんな彼女にはお構いなしで、興奮で輝かせた目をスケッチブックへと戻し、誰ともなく呟き始めた。

「うん……あかねちゃん達にモデルを頼んだのは正解だったわ……ポーズだけじゃなくて、そういう表情ってデッサン人形じゃ絶対に分からないもの……これはいいシーンが描けそう……」
(な、なんやさっぱり分からへんけど、とりあえず怒ってはいないみたいやな……良かった……)

 鼻歌でも歌いだしそうな上機嫌な様子でシャカシャカと鉛筆を動かすやよいに、命拾いしたとばかりにホッと安堵の息を吐いたあかね……だったが、彼女はまだ自らの受難が終わってないことに気付いてはいなかった。
 さわさわ……。

(!?)

 再び腹部を撫で回し始めたなおの指先の動きに、あかねの体が一気に強張る。

(こここコラなお!!ええ加減にせんと――!!)
(ふふ〜ん。いいじゃん、やよいちゃんも喜んでるみたいだし……ここはいっそ、もっと出してかなきゃ……『リアリティ』っていうのをさ……)
(くひゃ……ふひ……ぐ、ぐぬぅ〜!!)

 しかし、あかねも何度も吹き出したりはしまいと、歯を食いしばり目をギュッと閉じ、必死の形相でなおの攻撃に耐えている。

(ぐぬぬ……そ、そう何回もなおの思い通りになってたまるかい!!や、やよいのデッサンが終わるまでの辛抱や!)
(……ふ〜ん、なかなか頑張るじゃない、あかね……じゃあ……)

 なおは唇を尖らせると、ふっ、と吐息をあかねの耳に吹きかけた。

「!!??〜〜〜!!!」

 突然の新たな責め苦にギョッとしたものの、下唇を固く噛み締め、あかねはなんとか絶叫してしまいそうなのを堪え、目線だけ動かしてきつくなおを睨みつけた。……しかし、睨まれたなおはといえば、悪びれる様子もなく涼しい顔。

(……へぇ〜、今のをよく我慢したねえ。えらいえらい)
(く……なお……こ、このあかねさんを、あ、甘く見てもらっちゃ困るで……こんな事くらいでなぁ……)
(こんな事くらいねぇ……じゃあこういうのはどう?)

 なおは悪戯っぽく微笑むと、ペロリと舌を出し、あかねの首筋に無遠慮に這わせ始めた。

(ふ、ふあぁ……!!)

 ゾクゾクとあかねの首筋から電流のような感覚が走り、瞬時に全身が粟立つ。
 耐えられず閉ざしていた口を大きく開いたあかねだったが、かろうじてその口からはやよいに届くほどの声は漏れていない。

(頑張るね、あかね……でもまだまだ……)

 なおはあかねの耳元で一度そう囁くと、優しく子猫の毛ずくろいをする母猫の如くに、舌をゆっくりと優しく上下に往復させていく。
 あかねはぷるぷると全身を小刻みに震わせつつ、救いを求めるようにやよいを仰ぎ見た。

(や、やよい……!な、なおのやつめっちゃ動いてるやん……と、止めへんのかい……!?)

 あかねの思いも虚しく、一旦スケッチブックに集中したやよいは、無情にもチラリと二人に視線を投げることもせず、シャカシャカと鉛筆を動かすばかりだ。

(な、なんでやねん!それじゃモデルやってるうちらの意味無いや……ふぁぁっ!!)

 ツッコミを入れたいあかねだったが、首筋から伝わるなおの舌の感触にそれもままならない状況だ……おまけになおから離れようにも、彼女の両手はあかねを離すまいと力を増している。逆にあかねの方はといえば、首筋から伝わる感触で指先に力を入れることもままならない。

(ふふ、あかねの汗の味がする……甘くていい香り……でも、ちょっとしょっぱいかな?)
(く……なお、や、やめ……恥ずかし……)
(嫌だね。こうなったら意地でもあかねに声を出させたくなったし……そうだ、やよいちゃんに助けて欲しそうだったよね。じゃあ……)

 あかねの体に回したなおの両手が、突如体操服の上着を捲り上げ、その中へと侵入を始めた。
 予想外に大胆なその行動にギョッとしたあかねだったが、それでも声は押さえ込んでいる。

(これだけ派手に動けばさ、やよいちゃんも気が付くんじゃない?そしたらあたし怒られちゃうな〜……もっとも、先に声を上げたら怒られるのはあかねの方だけどね)
(な、なんやねんその勝負……ふぁっ!!)

 体操服の中、前面で交差されたなおの手が、あかねの少年を思わす薄い胸を、スポーツブラ越しにやんわりと触り始めた。

(ブラまで汗で湿ってる……ふふ、これってバレー部の練習後だから?それとも首舐められて気持ち良かったから?)
(はぁ……き、気持ち良くなんて……なって……ないわ……)
(そう?じゃあ確かめさせてもらっちゃおうかな……)

 囁いたなおの顔は、先程までラブシーンと口にしただけで頬を赤らめていた少女とはとても思えない。
 それどころか、目には昏い火が灯り、この状況に陶酔しきったその顔は、いつもの健康的なスポーツ少女のなおからは想像もつかないほどだ……どうやら一方的にあかねという獲物をいたぶれるというシチュエーションに、心ならずも、彼女に秘められた嗜虐心が解き放たれててしまったらしい。
 やわやわと触っていただけだったなおの手が、いきなりあかねのブラジャーをたくし上げる。あかねの否定の言葉とは裏腹に、快感にツンと可愛らしく尖った薄桜色の乳首に一度引っかかったものの、ブラは難なくあかねの鎖骨まで追いやられてしまった。

(な、何を―――)
(ふふん、こんなに乳首硬くして……やっぱり気持ちよかったんじゃないか……)

 あかねの嘘を咎めるように、なおの指先がキュッと乳首を抓り上げる。その甘やかな衝撃に、一度大きくあかねの背が反り返った。

(い―――!!)
(あ、痛かった?ごめんね〜、あかね。じゃあ……)

 なおは人差し指と中指であかねの乳首を挟み込むと、転がすように優しく丁寧にしごき始めた。必死に声を出さずに耐え忍ぶあかねの姿とは裏腹に、乳首は更なる刺激を求めるかのようにぷっくりと屹立し、なおの指の隙間から健気にその姿を覗かせていた。

(うあ……ふあぁぁ……っ!!)

 されるがままのあかねの可愛らしいピンクの唇から、ため息混じりの喘ぎが漏れる。だが、まだやよいが気が付くほどのボリュームではない。

(あ……はあぁ……ほ、ホンマにもうやめて、なお……こ、こんなん……う、ウチの……ウチの胸が……お……おっぱいが……おかしくなってまう……)

 見れば、いつもは強気なあかねの目が涙でうっすらと滲んでいる。それが押し寄せる快楽のためか、あるいはいいように弄ばれていることへの屈辱からなのかは分からないが、その悲哀溢れる懇願は、逆に燃え立つなおの嗜虐心に燃料を注いだだけだった。

(……ダーメ。やよいちゃんに気が付いてもらって、助けてもらいたいんでしょ?しかも自分は怒られないように……だったら、あたしがもっと派手に動かなきゃ……)
(派手にって……うぁ……こ、これ以上……何を……?)
(決まってるでしょ?――あかねをもっとおかしくさせてあげるの!)

 なおの右手が乳房を離れ、あかねの穿いたショートパンツの中へと滑り込んでいく。
 あまりに大胆で常軌を逸した行動に、あかねは猫のような瞳を大きく見開いた――ここはいつも自分達が学んでいる教室で、そればかりか目の前にはやよいがいるのだ。そんな中なおがこのような無謀とも言える行動に出た事が、あかねには一瞬信じられなかった。
 けれど、そのなおの暴挙と異常なシチュエーションが、あかねの肉体に背徳的な激しい快感を呼び起こす。

(な、なお……や、やめ……!!)
(……あかねのココはもっとしてって言ってるみたいだけど?)

 なおの指摘通り、あかねのショーツは股布の上からでもはっきり分かるほどにぐっしょりと濡れそぼっていた。自分でもその肉体の反応に気がついていたあかねだったが、否定しょうとむずがる子供のようにプルプルと小さく首を振る。

(い……イヤや……こ、こんなんイヤ……)
(まーだ上のお口はそんな事言うんだ。仕方ないな……じゃあ本音を言うまで止めてあげない)

 なおはククッと喉の奥で笑うと、布地越しにあかねの秘裂をなぞり始めた。しかし決して激しくではなく、焦らすかのようにゆるゆるとした緩慢な動きで。

(はぁ……そ、そんな……)

 あかねの唇から口惜しげな言葉が漏れた。口では否定していたものの、彼女の肉体は興奮の最中に有り、更なる強い刺激を求めていたのだ。
 しかし、あかねの思いとは裏腹に、なおの指先はそれ以上の事をしてはこない。

(んあぁ……ふうぅ……も、もっと……)
(ん?何、あかね?もっと何だって?)

 懇願の言葉を言いかけたものの、なおの問いかけにハッと我に返ったあかねは、慌てて彼女から顔を背けた。
 あかねの心にもない拒絶を面白がるかのように、なおの指先が股布の部分を横にずらす。

(ふふ、あかねのココ、どうなってるのか布越しじゃよく分かんないな……もっとじっくり確かめてみないとね……)
(――ッ!!)

 なおの触れたあかねの秘部は、湯気でも立ちそうなほどにねっとりと熱く潤い、もっと奥へと指先を誘おうと肉厚の薄桃色の花弁をほころばせていた。淡い繊毛の下の肉の芽も、包皮の下から存在を誇示するかのように顔を出している。
 それを確認したなおの指は、縦横無尽にあかねの秘部を弄り始めた。肉ビラやクリトリスをくすぐり、あまつさえ指先で膣口をツンツンとつつくその動きは、さしずめ獲物に歓喜した飢えた蜘蛛といったところだろうか。

「んん……っ!!んんんっ!!き、気持ちええっ……!!」

 少女の一番大切な部分を存分にいたぶられて、あかねの口からついに吐息混じりの敗北宣言が漏れる。しかし、当の本人は最早その事にも気付いていない。
 なおはあかねの耳朶に耳を寄せ、からかうように囁いた。

(ふふ、いいの?あかね……やよいちゃんに気が付かれちゃうよ?エッチな声出さないでって叱られちゃうかも……)
(んふっ……ああっ……や、やよいに……気付かれる……?)
(あーでも、やよいちゃんは喜んでくれるかもね……『あかねちゃんの感じるのをがまんしてるいやらしい顔、物凄くリアリティがある!』ってさ……肩越しに見ても分かるくらい、すっごいはしたない顔してるもん……)

 なおの指摘通り、普段は凛々しいあかねの吊り気味の目は欲望に潤み、鼻腔も膨らんでいる。
 口もかろうじて声は発していないものの、だらしなく半開きになって舌を覗かせ、ダラダラと唾液を垂れ流していた。
 顔だけではない。彼女の肌は全身余すところなく紅潮し、玉のような汗がその上に浮かんでいる。こうなっては例え口にしなくても、蕩けきった情欲の虜になっていることは誰の目にも明らかだ。
 その痴態たるや、発情期の牝犬の方がまだ上品に思われる程だった。
 もしこんな姿をやよいに見られたら……なおの台詞に、その想像があかねの脳裏をよぎる。

(んはあっ!!……こ、こんなウチをやよいに見られたら……んひっ!)
(……叱られるだけじゃなくて、軽蔑されちゃうかも知れないよ……『あかねちゃんのヘンタイ!!』ってさ……)
(ふはあぁっ……へ、ヘンタイ……う、ウチがヘンタイ……?)

 鸚鵡返しにそう言った途端、集中していた筈のやよいが、ふと顔を上げ、あかね達の方を向く。
 その一連の仕草に、見られた!と感じた瞬間、驚愕と絶望とで、あかねの口から声ではなく心臓が飛び出しそうになる。
 しかし、やよいはどうやら目にゴミでも入ったらしく、両手で目をゴシゴシと擦ると、スケッチブックへと顔を戻した。
 バレてはいなかった……しかしその事実があかねにもたらしたのは、安堵よりもむしろ自らの破廉恥な姿を見てはもらえなかったという失望であった。
 仮に今、やよいに全てを見られていたとしたなら、それだけであかねはエクスタシーに達していたであろう。

(……あはぁ……な、なんで……んふう……なんで見てくれへんの……やよいぃ……?)

 あかねの中に残っていた最後の理性の糸が、プツン、と切れた。
 同時に膝立ちの姿勢をとると、なおの手に自ら擦りつけるように腰を動かし始める。こうなるとギョッとするのは今度はなおの方だった。

(ば、バカ!そんなに動いたら本当にやよいちゃんにバレちゃ……)
(んんんっ!ば、バレても……え、ええの……!!ふうぅ……ん……だ、だってウチ……ホンマに……や、やよいが目の前にいるのにぃっ……こんなに興奮してるヘンタイやねんもん……んあぁっ!!)
(……へえ、やっと素直になったじゃない、あかね。それじゃあ……)

 一旦は驚いたものの、すぐに余裕を取り戻すと、なおは乳首を弄っていた左手もあかねの背後から股間へと移動させると、臀部越しに、秘所めがけてズブリと中指と薬指を容赦なく突き立てる。だが、愛液でヌラヌラとぬめ光る幼さの残る秘唇は、待っていたと言わんばかりに、それを根元まで苦もなく飲み込んでいった。

(ふぎぃっ……!!)

 それだけではない。なおは首筋にキスの雨を降らせた後、あかねの腋の下から頭をくぐらせ、尖りきった乳首を舌でねぶり出した。
 その右手はといえば、親指の腹で肥大しきったクリトリスを強く弾く真っ最中だ。
 あかねはその快感を一片たりとも逃すまいと、無我夢中で少女らしく愛らしい小ぶりなお尻を淫らに動かし続けた。時には前後に、時には上下に……こうなってしまってはもうプリキュアの面影などどこにもない。なおの胸に納まっているのは、ただ貪欲に被虐の悦楽を貪ろうとするだけの、淫乱な一匹のケダモノの姿であった。

(気持ちええ……んはぁっ……おっぱいもアソコも……全部気持ちええのおぉ……あふぅっ……)
(いいよ、あかね……もっともっと気持ちよくなって……ウブそうなやよいちゃんに見せてあげようよ……女の子がイっちゃう時の姿を……『リアリティ』なんかじゃなくて、『リアル』な、さ)
(ふひぃ……んっ……イク時の……こんなシチュエーションで感じてるウチの……へ、ヘンタイなウチがイっちゃうトコ……見てもらう……)
(それでさ、その様子をしっかりスケッチしてもらって、後でみゆきちゃんやれいかにも見てもらうの……ふふ、素敵なアイディアだと思わない?)

 なおの提案に、被虐の悦楽がはち切れそうな程あかねの心に膨れ上がっていく。

(んふうぅっ!!見られる……見られてまう……!!ウチのイクとこ……みゆき達に見られて……)
(んー、それだけじゃヘンタイなあかねには物足んないかな……いっそ校内掲示板に貼りうだしてもらうっていうのはどう?……全校生徒に見られちゃうよ……)
(あふぅっ……!!み、皆に……学校中の……街中の人たちに……ウチがヘンタイやって……なおの指に跨って……こ、腰を振ってるヘンタイ少女やって……んはぁぁぁぁぁっ!!)

 有りもしない何百何千の視線が、まるで針のようにあかねの中に膨らみきった快感に突き刺さってきた。
 その瞬間、あかねの頭の中に光が弾け、真っ白になる。

(あふあぁぁっ!!み、見て、やよい……っ!!ウチのイクとこ、スケッチして――――)

 あかねの肉体が悦楽に大きく跳ね上がり、絶頂の証とばかりに、尿道口からショートパンツの中に向けて、ブシュッ!と勢いよく潮が吹き散らされる。

「んんああああぁぁぁぁっ!!!!」

 あかねの淫靡な嬌声が教室に響き渡るのと、やよいがスケッチブックから顔を上げるのとは、ほぼ同時だった。