140文字SS:ハピネス注入!冬のSS祭り2015【6】


1.[競作2015]せつな&美希「大切な二人だけの秘密」/一六◆6/pMjwqUTk


魚屋さんの前では、必ず大回りする。
たこ焼き屋さんも、さりげなく避けて通る。

「そんなに気を使わなくていいのに」
「人を置き去りにして走り去った人が、よく言うわ」

もしかしてあの時、せつなもアタシに置いていかれると思って慌ててたの?

「もうしないわよ」

一人には、ね。
赤い瞳に、そっと誓った。


2.[競作2015]「大切な人はここにいる」/ねぎぼう


ラブが沈黙を破るように口を開く。

「いまでもせつなの夢を見るんだよね……」
「せつなちゃんと会えなくて……やっぱり寂しい?」

祈里のあまりにも直球な問いにラブも苦笑する。

「ブッキー、せつなはいつでも『ここ』にいるんだよ」

ラブは自分の胸をトントンと示す。

「ラブちゃんならそう言うと思った」


3.[競作2015]「大切な、正夢!」/ねぎぼう


「全日本シニアダンスコンテスト、優勝はクローバー!」

あたしたちがついに日本一のダンサーに!
今や美魔女モデルの美希たんと
すっかりお父さん似になっちゃったブッキー。

ラビリンスの笑顔のために今でも陰で頑張るせつなもこんな近くで、
お腹のお肉がちょっと恥ずかしいな。

これはね、あたしの正夢!


4.[競作2015]咲⇒舞「大切なこと(伝える)」/一六◆6/pMjwqUTk


「力一杯、一生懸命、そして楽しく」
お母さんが教えてくれたこと。
それってソフトボールだけの話じゃないよね。
だから舞に伝えたい。
文化祭のモニュメントのデザイン、とにかく楽しくやってみて、って。
楽しく描いたんだなって伝わるところが舞の絵の魅力だし、
何より舞には、楽しく描いて欲しいから。


5.[競作2015]舞⇒咲「大切なこと(受け取る)」/一六◆6/pMjwqUTk


「とにかく楽しくやってみて」
カボチャの頭が私の顔を覗き込む。
いつもそう。
困っている時、いつも私の手を取って、一番欲しい励ましをくれる。
咲だって、決勝戦で辛い思いをしたばかりなのに。
そう思ったら急に涙が溢れて、慌てて笑った。
ありがとう、咲。頑張るね。
何だか、大丈夫って気がしてきた。


6.[競作2015]のぞみ&りん「大切な幼馴染」/一六◆6/pMjwqUTk


小さい頃から、国宝級のドジ。
何も無いところで転んだり、道に迷ったりは日常茶飯事。
どこまで手間がかかるんだ、って本気で思う。だけど……。

「いつも頑張ってるりんちゃんを、わたしが応援するんだもん!」

そんなのぞみが居なかったら、今のあたしは無かったって、
これまた本気で思うんだ、あたし。


7.[競作2015]マナ&六花「大切な心・大切な言葉」/一六◆6/pMjwqUTk


「忙しい」という字は「心を亡くす」と書くんだぞ、って
先生に心配されたのは、生徒会長になったばかりの頃。
それに答えたのは、あたしじゃなくて六花だった。

「大丈夫です。マナの心は私が守ります!」

あの日から、どんなに忙しくても平気。
あの言葉を思い出すだけで、あたしの心はきゅんきゅんだよ!


8.[競作2015]れいか&祈里「大切な道」/一六◆6/pMjwqUTk


「獣医になるのが祈里さんの道なのですね。
ダンスもそのために学ばれているのですか?
筋肉の動きを知り、集団行動を経験して……」

れいかちゃん、そんなの考えたこともないよ。

「わ、わたしは、みんなと踊るのが好きなだけだよ」

その途端、パッと笑顔がこぼれた。

「そのお気持ち、私の道と同じです!」


9.[競作2015]「大切なたからもの」/ねぎぼう


昼下がり、シフォンがせつなの膝の上で眠そうにしている。

「タルト、クローバーボックス使ってもいい?」
「……うん、ええで」
「ウチも聴きとうおすえ」

ラブはハンドルを握り、ゆっくりと回し始めた。
スイーツ王国の秘宝から奏でられるのは今はただ優しい子守歌。

安らかな寝顔は大切なたからもの。


10.[競作2015]かれん&ありす「大切な家族」/一六◆6/pMjwqUTk


セレブ堂のケーキと一緒に小さな包みを差し出す。
中身は少しビターなチョコレート。

「これ、セバスチャンさんに」

まあ、とありすが嬉しそうに目を細めた。

「私たち、家族ぐるみのお付き合いですわね」

坂本さんに、と手渡された英国製の紅茶の缶に、
何だか心が浮き立つ。

今日はみんなで四葉家のお茶会。