3.それは、六花の家に泊まった夜に




「ん……?」
 時計を見ると、ちょうど日付が変わろうとしていた。
 今日は六花の家に久々にお泊り。
 風呂上りにジュースを少し飲みすぎたかな……、六花にバレるとまた小言を言われそうな気がしたから、こっそりとベッドから抜け出す。
 子供の頃から何度訪れたかわからない場所、トイレの場所など目を瞑っていても辿り着ける。
 そそくさと用を済ませて戻ってくると、ベッドの中にはすやすやと寝息をたてて安らかに眠る六花の姿。
 自分の頬が少し緩んでいる気がする。この可愛い女の子が自分の彼女なんだなあと思うと、自然と顔がニヤけてしまうのだ。いけないいけない、頬に手を当てて、ぐっと力を込める。
 六花を起こさないようにそっとベッドに入り込む。目の前には無防備な姿の六花。
「六花……」
 背後からそっと六花を抱きしめると、六花の温かさを感じた。
 もう少しだけ六花を抱きしめる腕に力を込めた。



連作4本目は競作2-21