3.それは、六花の家に泊まった夜に
「ん……?」
時計を見ると、ちょうど日付が変わろうとしていた。
今日は六花の家に久々にお泊り。
風呂上りにジュースを少し飲みすぎたかな……、六花にバレるとまた小言を言われそうな気がしたから、こっそりとベッドから抜け出す。
子供の頃から何度訪れたかわからない場所、トイレの場所など目を瞑っていても辿り着ける。
そそくさと用を済ませて戻ってくると、ベッドの中にはすやすやと寝息をたてて安らかに眠る六花の姿。
自分の頬が少し緩んでいる気がする。この可愛い女の子が自分の彼女なんだなあと思うと、自然と顔がニヤけてしまうのだ。いけないいけない、頬に手を当てて、ぐっと力を込める。
六花を起こさないようにそっとベッドに入り込む。目の前には無防備な姿の六花。
「六花……」
背後からそっと六花を抱きしめると、六花の温かさを感じた。
もう少しだけ六花を抱きしめる腕に力を込めた。
最終更新:2015年02月21日 01:20