2.それは、朝の挨拶で




 部活の助っ人として朝練に参加することもあるし、あたしは早起きが苦手ではない。
 だからといって、早起きが決して得意というわけではない。
 そういう事情もあって、毎朝六花はあたしの家に迎えに来る。そんなことがふたりの間で習慣になっていた。
 六花は大体余裕を持って通学できるように迎えに来てくれるが、当然、あたしが起きていない時は六花に叩き起こされることになる(と言ってもせいぜいゆすられるくらいのものでしかないのだが)
 そんな六花に叱られる日が多い中で、今日は幸いにもあたしはバッチリ早起き・準備万端で、六花が来るのをリビングで待っていた。
 こんな日は、椅子に座って、お茶でも飲む。
 まだかな、まだかな……、六花を待ちながら若干緊張。
 ピンポーンとインターホンが鳴る音、高鳴る鼓動を抑えて鞄を肩にかけてすぐに飛び出す。
 勢い良くドアを開けると、目の前にはちょっとだけ驚いたような顔の六花。
「六花!」
 挨拶代わりに六花の名前を呼ぶ。
「マナ、おはよう!」
 素敵な笑顔で挨拶をしてくれる六花。あたしが寝坊した時の怒り気味・呆れ気味の顔も可愛いけど、やっぱり六花は笑顔が一番可愛い。この笑顔を見られただけで早起きをした甲斐があったもんだね。
「おはよう!」
 嬉しかったからかな、あたしの挨拶にも自然に力が入った気がする。



連作3本目は競作2-20